「毎日家の鍵を開けたり締めたりするのが面倒だ」と感じている人は多いかもしれない。そんな人にオススメしたいのがスマートロック。
スマートロックとは、スマホを利用して解錠・施錠できるロックシステムを指していて、既存の玄関扉に後付けすることも可能だ。
家庭用の後付けスマートロックには多種多様なものがあるが、今回は「SESAME 4」を使用してみたので詳しくレビューする。
比較的リーズナブルに購入でき、設定も簡単なのでスマートロックに興味がある人はぜひ試してみてほしい。
【2023.10.03追記】
後継のSESAME 5 Proが発売されてからはそちらを利用しているので、以下の記事にまとめた。これから購入するならSESAME 5シリーズのほうがオススメなので、あわせてチェックしてほしい。
スマートロックにSESAME 4を選んだ理由
そもそも、スマートロックは数多く販売されている中で、なぜSESAME 4を選んだのか気になっている人もいるかもしれない。
今回SESAME 4にした理由は、比較的安価に購入できるからというもの。必要なアイテムをすべてそろえても1万円以下で済み、初めてスマートロックを導入するうえで魅力的に感じた。
中には導入するのに3万円近くかかるものもあるため、それに比べると導入のハードルが低い。それでいて使い勝手にも問題がなさそうだったので、SESAME 4を選ぶことにした。
オートロックや手ぶら解錠、解錠・施錠ログなどの基本的な機能はきちんと実装しているしネ☆
SESAME 4でスマートロック化するのに用意するもの
遠隔解錠・施錠に対応したスマートロックとして運用するためには、以下の2つが必要だ。SESAME 4単体でも利用自体はできるものの、遠隔操作には対応できないので注意しよう。
- SESAME 4本体
- Wi-Fiモジュール
セットで購入しても1万円以下と安価なので、最初からまとめて購入するのがオススメ。本体だけ買っても後でWi-Fiモジュールがほしくなるしネ☆
SESAME 4本体
SESAME 4はサムターンに取り付けて解錠・施錠するタイプのスマートロック。本体をサムターン部分に取り付けるだけでOKだ。
これがないとはじまらないので、忘れずに購入しよう。本体は4,000円~5,000円で購入できる。
至ってシンプルな形状のスマートロックで、インテリアとも調和しやすい。
Wi-Fiモジュール
SESAME 4本体だけではBluetoothを使用した解錠・施錠しかできない。遠隔地からの操作やGoogle Assistant・Alexaを使用した操作には対応できないので注意しよう。
これらに対応するのに必要なのがWi-Fiモジュール。これを設置して設定しておけば、インターネット環境がある限りどこからでも自宅の鍵を操作できるようになる。
Bluetoothが使えないときや原因不明の障害が発生したときのバックアップにもなるため、セットで購入するのがオススメだ。買わないと結局あとからほしくなる可能性が高いため、最初に買ってしまおう。
SESAME 4を設置する手順
次に、SESAME 4を設置する手順を紹介する。難しい要素は何一つ存在しないので、以下の手順にしたがって設置してみよう。
- 開封して内容物がそろっているか確認する
- サムターン部分に本体を合わせて設置位置を調整する
- サムターンの幅に合わせて本体の幅を調節する
- 高さ調節台を使用して高さを合わせる
- 組み立て終わった段階で再度サムターンに合わせて位置を確定させる
- 本体を貼り付ける部分を脱脂する
- 両面テープで本体を固定する
本体の設置作業はこれで完了だ。位置調整がずれるとうまく回らなくなったり、解錠・施錠時に負荷がかかって故障の原因になったりする。
スムーズに回るように位置を正確に調整し、両面テープで確実に固定しよう。固定が不十分だと使用中に落下するリスクがあるため、こちらも確実に貼り付けることが大切。
SESAME 4の設定方法
SESAME 4は設置すればすぐに使えるものではない。スマートロックというだけあって、スマホで解錠・施錠するには設定が必要になる。
設定といっても複雑なものではないため、以下の手順にしたがって進めよう。
- SESAMEのアプリをダウンロードする(Google Play/App Store)
- メールアドレスを入力してログインする
- 認証コードを入力する
- 「+」ボタンをタップする
- 「新規デバイス」をタップする
- 表示されたSESAMEをタップする
- 再び「+」ボタンをタップする
- 「新規デバイス」をタップする
- 「Wi-Fiモジュール」をタップする
- Wi-Fiネットワークに接続する
- ステータスを確認する
上記の作業が完了し、スマホのボタンをタップして解錠・施錠できる状態になっていれば基本的な設定は完了。詳細設定画面を開くとオートロックや手ぶら解錠の設定もできるため、必要に応じて活用しよう。
詳しい設定については別記事で紹介するので、気になる人はセットでチェックすることをオススメする。
SESAME 4を利用して感じたメリット
「スマートロックを導入するとどんなメリットがあるの?」と思っている人もいるのではないだろうか?実際にSESAME 4を使ってみて感じた大きなメリットは、主に以下の3つ。
- 物理キーから解放される
- オートロックが役立つ
- 手ぶら解錠がとにかく便利
- 誤動作がない
それぞれ何をメリットだと感じているのかを詳しく解説する。これからSESAME 4を導入しようか迷っているなら、ぜひ一通りチェックしてみよう。
物理キーから解放される
スマートロックを導入する最大のメリットが、「物理キーから解放される」というものだ。スマホで解錠・施錠できるようになるため、物理キーを使用する機会がほぼなくなる。
SESAME 4にはオートロックや手ぶら解錠も存在するため、設置してから物理キーを使用したのは1回のみ。その1回も停電でWi-Fiモジュールの動作がおかしくなったというイレギュラーなものだった。
ただし、バッテリー切れやモーターの故障などでスマホ解錠・施錠が動作しなくなるリスクが存在する。
使わないからといって物理キーを持たないのではなく、予備としてカバンに入れておくようにしよう。動作不良時に物理キーがないと鍵屋を呼ぶ羽目になるゾ☆
オートロックが役立つ
控えめにいっても、SESAME 4に実装されているオートロック機能はとても便利だ。オートロックの仕様は「解錠から一定時間が経過すると自動的に施錠する」というもの。
そのため、自宅を出るときはいちいちスマホを取り出して施錠する必要はない。荷物を持っているときも施錠する手間化がかからないため、スムーズに外出できるのは大きなメリット。
もちろん、鍵を締め忘れるリスクもない。ただし、ドアの建て付けが悪くてきちんと閉まらない場合はこの限りではないゾ☆
建て付けが悪く自動できちんと閉まらない玄関ドアの場合は、早めに修理しておこうネ☆
手ぶら解錠がとにかく便利
さらに便利な機能のひとつとして、手ぶら解錠がある。これはその名のとおりスマホを取り出すことなく、ドアに近づくと勝手に解錠する機能だ。
具体的な仕組みは、事前に指定した距離以上離れてから再びエリア内に入り、SESAME 4とBluetoothで通信できるようになったときに自動的に解錠する。
解錠時はBluetoothで通信する必要があるため、まだ遠い位置にいるのにもかかわらず解錠されて不審者が侵入することはない。
ドアのすぐ近くに接近しないと開場されないため、安全といえそうだ。
誤動作がない
セキュリティシステムで避けなければいけないもののひとつが誤動作。とくに解錠操作していないのにもかかわらず勝手に解錠されてしまうと、空き巣などの不審者に侵入されるリスクがある。
しかし、SESAME 4を使っていて勝手に解錠するという誤動作が発生したことはない。
解錠・施錠ログをスマホから確認できるが、誤動作したログはひとつも存在しなかった。セキュリティシステムとしての信頼性は問題ないといえるだろう。
SESAME 4を利用して感じたデメリット
非常に便利なSESAME 4であるが、実際に利用するといくつかのデメリットに気づくことがある。特に意識しておきたいデメリットは以下の3つだ。
- 時々手ぶら解錠が動作しないときがある
- オートロックの仕様が今ひとつ
- スマホ側のアプリが終了しているときがある
それぞれどのようなデメリットなのか詳しくみていこう。これらを致命的なデメリットと感じる人は、別のスマートロックもあわせて検討することをオススメする。
時々手ぶら解錠が動作しないときがある
手ぶら解錠は自宅の玄関に近づくと勝手に解錠されるため、非常に便利な機能だ。しかし、時々この手ぶら解錠が動作しないときがある。
玄関前で10秒程度待機すれば解錠されるときもあれば、全く解錠されないときもある。解錠されないときはどうやらBluetooth接続が確立できないようなので、原因は不明。
なお、例外としてアプリが勝手に終了したために解錠されないというトラブルが存在する。これについては後述するため、あわせてチェックしておこう。
普段はタイムラグなく解錠されるため、不具合か技術上の限界と考えておくとよさそうだ。とはいえ、発生するのは10回に1回程度なので致命的なデメリットではないと感じている。
スマホは普段からカバンの取り出しやすい位置に入れるようにしておけば、万が一このトラブルが発生したときでもスムーズに解錠できる。
オートロックの仕様が今ひとつ
SESAME 4のオートロックは、解錠から一定時間経過すると施錠するというシステムが採用されている。
これは普段は大きな問題にならないものの、荷物を搬出・搬入するときや来客時は使いにくくなるのがデメリット。
ほかのスマートロックはドア枠にセンサーを設置し、ドアが閉まったことを確認すると自動で施錠する仕組みになっているものが多い。
SESAME 4は簡易的なオートロック機能を実装していると考えるとよいだろう。価格が安い分、この辺の作りがあと一歩といった印象。
高精度なオートロックを必要としているなら、別のスマートロックを選んだほうが満足できそう。
スマホ側のアプリが終了していることがある
SESAMEのスマホアプリは使用していないときもバックグラウンドで動作しているが、いつの間にか勝手に終了していることがある。
普段はきちんとバックグラウンドで動作しているため、これはソフトウェアの不具合と考えられるだろう。
アプリが終了していると手ぶら解錠が動作しないため、早めにこの不具合を直してほしい。終了しても通知されるわけではないため、基本的に気づかない。
SESAME 4を運用する上での注意点
最後に、SESAME 4を運用するうえでの注意点をチェックしていこう。場合によっては締め出しのリスクもあるため、きちんと覚えておくことをオススメする。
とくに意識したい注意点は以下の2つ。
- バッテリーの残量表示が電圧ベースになっている
- 落下リスクがある
それぞれ何が危険なのか、どのように対処すればよいかを解説する。
バッテリーの残量表示が電圧ベースになっている
SESAMEのアプリ上にはバッテリーの残量が表示される。しかし、この残量は電圧を測定して表示しているというワナがあるので注意しよう。
SESAME 4はCR123Aというリチウムバッテリーを2本直列で使用しているため、電圧は6Vだ。これを基準に残量がどの程度かを判断していると覚えておこう。
リチウムバッテリーは電圧が安定していて、残量が少なくなるまでは公称電圧に近い数値が出るものの、残量が減ると急激に電圧が低下するという特徴がある。
そのため、SESAMEの残量表示は100%のまま全然減らず、少し減り始めたと思ったら急激に残量が少なくなるという挙動を見せる。
「まだ80%あるから安心」と思っていると一気に低下して解錠・施錠できなくなるリスクがあるので注意しよう。
ほかのスマートロックには予備バッテリーを搭載できるものもあるが、SESAMEはできないため早めのバッテリー交換が必要。
運用中は自宅にCR123Aのバッテリーを予備として2本備えておくことをオススメする。
落下リスクがある
基本的にSESAME 4はドアに両面テープで固定するという仕組み上、ビス止めするものと比べて落下リスクがある。
そのため、設置時には粘着力を確保するために確実に脱脂するのがオススメ。また、運用中は定期的に剥がれかけていないかチェックしよう。
本体を触って粘着力が弱まっていることに気づいたら、早めに両面テープを貼り替えよう。もちろん、貼り替え時も脱脂を忘れずに。
さらに、万が一落下したときに備えて外出時は物理キーを忘れないようにしよう。こちらは不具合対策としても必須だゾ☆
安価にスマートロックを構築するならSESAME 4がオススメ!
家庭用のスマートロックにはさまざまなものがあるが、安価に導入したいならSESAME 4はとてもオススメだ。
基本的な機能はきちんと備えているため、実使用で不便を感じることはほぼない。
唯一オートロック機能が簡易的なもので柔軟性に劣るが、致命的なデメリットになるケースは少ないといえそう。
鍵の共有も簡単にできるので、はじめてのスマートロックを探している人は、ぜひSESAME 4を検討してみてほしい。