楽天モバイル
そこで、実際に楽天モバイルとpovoを併用してわかったことを紹介する。0円運用に限らず、この2キャリアを活用したいと思っているなら必見だ。
特に楽天モバイルは契約して放置しているだけでメリットを享受できるので見逃せないゾ☆
【2022.05.28追記】
2022年7月より楽天モバイルは1GB未満の利用料金を1,078円/月に変更すると発表した。それにともなって今後の運用をどうしようか迷っている人もいるかもしれない。この件については以下の記事で詳しく解説している。
楽天モバイル・povo 2.0の料金体系
最初に楽天モバイルとpovoの料金体系を紹介する。適切な料金を支払うためにも、どのような料金体系なのか知っておくことは必須といえる。
なお、0円運用を考えているなら、基本的に楽天モバイルの通信量を1 GB/月未満に抑え、povoは128 kbpsのまま利用することが必要だ。
ただし、ずっと0円だと強制解約になるリスクもある。それについてもあわせて解説するので一通りチェックしておこう。
楽天モバイルの料金体系
月間通信量 | 料金 | 備考 |
---|---|---|
1 GBまで | 0円 | 1回線目のみ 2回線目以降は1,078円/月 |
1 GB~3 GB | 1,078円/月 | – |
3 GB~20 GB | 2,178円/月 | – |
20 GB~ | 3,278円/月 | – |
楽天モバイルの料金プランは「Rakuten UN-LIMIT VI」のみで、上記のように利用した月間データ通信量によってその月の料金が決まる。
1回線目(契約日が最も古い回線)のみ、データ通信量が1GB/月未満であれば月額料金が0円になるのが特徴だ。0円運用を考えているならここが最も重要なポイント。
楽天モバイルではオプションとして「10分通話かけ放題」を提供しているが、これを契約する必要はない。理由については後述するのでこちらも必見だゾ☆
povo 2.0の料金体系
高速データ通信量 | 料金 | 有効期間 |
1 GB | 390円 | 7日 |
3 GB | 990円 | 30日 |
20 GB | 2,700円 | 30日 |
60 GB | 6,490円 | 90日 |
150 GB | 12,980円 | 180日 |
使い放題 | 330円 | 24時間 |
povo 2.0は基本料金が0円で、必要に応じて「トッピング」として上記のデータ通信量を都度購入する仕組み。
他にも通話トッピングとして「5分以内通話かけ放題」「通話かけ放題」を提供している。povo 2.0をメインとする場合は必要に応じてこれらのトッピングも検討しよう。
コンテンツトッピングは今回の趣旨から外れるので割愛。気になる人は自分で調べてみようネ☆
具体的な運用方法
さて、料金体系がわかったところで実際にどのように運用しているのかを紹介する。基本0円運用を検討している人はぜひチェックしてみよう。概要は次のとおり。
- メイン回線として「楽天モバイル」を使用
- サブ回線として「povo 2.0」を使用
- 通話(発信)はすべて「楽天モバイル」を使用
執筆時点の利用スタイルでは、この方法で基本0円運用できている。一時的にデータ通信量が必要な場合や強制解約を防止するために料金が発生するケースもあるが、そこまで大きな金額にはならない。
強制解約など、基本0円運用で気になるポイントについては後述する。
実際に使ってみてわかったこと
実際に楽天モバイルとpovo 2.0を併用してわかったポイントがいくつかあるので、ここでまとめて紹介する。
「本当にこの組み合わせって使えるの?」「通信品質は大丈夫なのか?」と思っているなら必見。
基本的には問題なく使える
「楽天モバイルはつながりにくい」「povo 2.0は0円だと遅い」と思っている人は多いかもしれない。もちろん、実際にその通りだ。
しかし、この2キャリアを併用することで問題なく使えるようになる。
都市部であれば基本的に楽天モバイルで問題なくつながる。ビルの中や地下など、楽天モバイルがつながらないところのみpovo 2.0を使えばOKだ。
2台持ちが面倒ならDSDV対応スマホを利用するのがオススメ
運用スタイルとしてはメインスマホに楽天モバイルのSIM、サブスマホにpovo 2.0のSIMを挿して2台運用している。
しかし、必要に応じて切り替えるのが面倒なのは事実だ。たまにサブスマホ持っていくの忘れるときもあるしネ☆
もっと便利に使いたいならDSDVスマホを使って1台のスマホに2枚のSIMを挿すのがオススメ。これなら2台持ち歩く必要はなくなる。
0円運用できないときでも1,000円~2,000円でおさまる
たまに楽天モバイルの通信量が1 GBを超えたり、povo 2.0のトッピングを購入したりするので0円運用できないこともある。
とはいえ1,000円~2,000円で運用できるので特に問題はない。
結局どんな人が基本0円運用できるの?
実際に使ってみてわかったが、楽天モバイルとpovo 2.0を組み合わせて基本0円運用できるのは以下の条件を満たすユーザーだ。
- 自宅・職場に制限なしで使用できるWi-Fiが整備されている
- 外出時にそこまでスマホを使わない
1ヶ月に1 GBまでのデータ通信は、一般的な使い方をしていればすぐにオーバーするので現実的ではない。しかし、上記の条件を満たしているユーザーなら収まる可能性がある。
フリーランスをはじめとして仕事を在宅で済ませられるユーザー、外出時に動画などをあまり視聴しないユーザーなら試してみる価値があると思う。
なお、今回の実験では仕事は在宅で自宅に光回線を整備済み、週末に多少外出する程度という運用スタイルで以下の結果だった。
1ヶ月の通信量は0.65GB(666kB)で、1GBに収まった。なお、povo 2.0は使用していない。
外出時はレストランで休憩中にニュースサイトを見たり、暗号資産のチャートをチェックしたりするのに使用している。
通話もRakuten Link経由のみなので、一切料金が発生していない。完全に0円運用が成立した。
なお、2ヶ月前はpovo 2.0の3GBトッピングを購入しているため990円だった。
楽天モバイル利用時の注意点
楽天モバイルは魅力的なキャリアではあるが、実際に使うとなるといくつか注意しておきたいポイントがある。
これから楽天モバイルを契約するユーザーが特に注意しなければならないポイントは以下の3つ。
- 単独利用は通信品質面で不安あり
- 残容量通知機能がない(ローミング分を除く)
- 10 GB/日の隠し制限がある(撤廃済)
それぞれについて以下で詳しく解説する
単独利用は通信品質面で不安あり
楽天モバイルはつながりにくい。最近は多少改善されてはいるが、未だにこれは事実である。そのため、楽天モバイルのみを利用する単独利用は全くオススメできない。
山間部で車が故障し、助けを呼ぼうとしてもつながらなければそれは無理。場合によっては命にかかわるかもしれないゾ☆
そのため、楽天モバイルをメイン回線として利用するなら、いざというときに使える別キャリアの回線を1回線は用意しておきたい。
残容量通知機能がない(ローミング分を除く)
楽天モバイルは1 GB/3 GB/20 GBを境界にして料金が変わる。しかし、残容量を通知する機能というものはない。
料金の削減を重視するなら、定期的にmy 楽天モバイルをチェックしてデータ通信量を確認しよう。
とはいえ、「絶対に0円運用したい」とかの理由がない限り普段どおり使うのがストレスもなくていいと思う。そこまで高い料金体系ではないしネ。
10GB/日の隠し制限がある(撤廃済)
楽天モバイルは「無制限」を謳っている。しかし、実際には1日のデータ通信量が10GBを超えると、超えた時点から日付が変わるまで(日本時間基準)通信速度制限が掛かるので注意が必要。
具体的には、10 GBを超えた瞬間に最大通信速度が3Mbpsに制限される。したがって、実際に利用できる月間高速データ通信量は280 GB~310 GBだ。
3Mbpsに制限されても通信自体は利用できるから「無制限」と謳っているのかもしれないが、それが事実なら全キャリア無制限になってしまう。
docomo/au/Softbankも契約容量をオーバーしても通信を利用できなくなるわけでなはい。低速で利用できるのは楽天モバイルと同じだ。
この隠し制限は、2022年10月下旬に撤廃された。そのため、1日あたりの通信量を気にせずに使えるようになったのはうれしいポイントだ。
この点に関しては以下の記事で詳しく解説している。本当に撤廃されたのか実験しているので、気になる人は併せてチェックしてみてほしい。
povo 2.0利用時の注意点
一方で楽天モバイルよりつながりやすいpovo 2.0にも利用時の注意点がある。主な注意点は以下のとおり。
- 留守電がない
- トッピングを購入し忘れると遅すぎてストレスが溜まる
- 紛失・盗難時の停止手続きに時間がかかる
前半2つは意識すれば対応できるが、最後の1つはいざその状況が発生するとユーザー側ではどうにもできないので特に注意が必要だ。
留守電がない
povo 2.0には留守電サービスがない。楽天モバイルには無料で留守電サービスが付帯することを考えると、これは大きな違いになる。
電話を利用する機会が多く、留守電が必要になるなら十分に注意しよう。スマート留守電を利用するなど、別の方法で留守電を実装することを検討するといい。
トッピングを購入し忘れると遅すぎてストレスが溜まる
povo 2.0でトッピングを購入しない場合(有効期限が切れた場合も含む)、通信速度は128 kbpsに制限される。
128 kbpsという速度は非常に遅く、テキストベースのサイトを閲覧する場合でもストレスが溜まる。トッピングの購入に時間がかかるケースもあるため、0円運用を考えているならこの点に注意が必要。
とはいえ、128 kbpsの状態でもアプリからトッピングを購入できないほど遅いわけではない。多少時間がかかっても購入自体は可能なので、そこまで心配する必要はないと思う。
紛失・盗難時の停止手続きに時間がかかる
紛失・盗難時の回線停止手続きがチャット対応なのもpovo 2.0の大きなデメリット。回線を停止したいときはいちいちチャットで問い合わせなければならず、オンラインですぐに停止できない。
チャットが混んでいると停止するまでに時間がかかり、その分不正利用の被害に遭う可能性が高くなる。
楽天モバイルはmy 楽天モバイルのサイトからすぐに一時利用停止・利用再開できるので、これはpovoの大きなデメリットといえるだろう。
メイン回線はどうやって選ぶ?
この2つを実際に利用した結果、メイン回線をどのように選べばいいかもある程度わかってきた。「結局どっちをメインにすればいいの?」と考えているなら、ぜひここで紹介する情報を参考にしてほしい。
基本は楽天モバイルをメイン、povo 2.0をサブで運用するのをオススメする。ただし、例外があるのでそちらも要チェック。
エリア内なら楽天モバイルメイン
普段利用するエリアの全域が楽天モバイルのサービスエリア内なら、楽天モバイルをメインにするのがオススメだ。
なお、ここでいう「サービスエリア内」とは「自社回線に接続できるエリア内」を示している。ローミングエリアはまた違うので注意しよう。
ローミングエリアではpovo 2.0をメインとしつつ楽天モバイルをサブにするという運用になる。この場合は基本0円運用が難しいのが難点。
0円でも高速データ通信を利用できる
楽天モバイルは0円でも高速データ通信を利用できる。1 GB/月までという制限があるものの、0円で高速データ通信を利用できるのは大きな魅力だ。
外出中にスマホを利用する機会がほとんどなく、データ通信をあまり必要としないなら問題ないのでぜひ楽天モバイルメインを検討してみよう。
通話料・SMS送信料も0円で運用できる
楽天モバイルには「Rakuten Link」というアプリがあり、これを利用して通話やSMS送信を行うと通話料・SMS送信料が無料になる。
特番などはRakuten Linkに対応していないため、完全に通話料を0円にするのは難しい。しかし、一般的な電話番号に電話をかけるときは問題なく使えるので積極的に利用しよう。
「OS標準アプリではなくRakuten Linkアプリを利用する」という基本だけ覚えておけば大丈夫だゾ☆
【例外】毎月のデータ通信量が1 GB~3 GBならpovoメイン
必要なデータ通信量が0円運用できる条件を満たしていないなら、楽天モバイルをメインとしないほうがいい場合がある。それが「月間データ通信量が1 GB~3 GB」の場合だ。
この場合はpovo 2.0をメインとした運用を考えよう。
1 GB~3 GBはpovoのほうが安い
月間通信量が1 GB~3 GBの場合、それぞれのキャリアの料金は以下のとおりになる。
- 楽天モバイル: 1,078円
- povo 2.0: 990円
この範囲だけpovo 2.0のほうが安くなるため、コストを最重要視するなら楽天モバイルをサブにするのがオススメだ。
楽天モバイルは通話用として運用する
とはいえ、楽天モバイルは通話料0円や留守電無料付帯などのうれしいサービスがある。これを活用するには、通話用のSIMを楽天モバイルにするのがオススメ。
通話は楽天モバイル・データ通信はpovo 2.0という運用にすると1,000円/月程度で運用できて負担を抑えられる。
なお、povo 2.0は以下のような使い方もできる。IoTデバイス用として検討してもいいかもしれない。
楽天モバイルはとりあえず契約しておくのがオススメ!
読者の中には「楽天モバイルって全然つながらないしいらないよネ?」「すぐローミングエリアになったり圏外になったりして全然使えない!」と思っている人もいるかもしれない。
しかし、結論からいうと楽天モバイルは使えなくても契約しておくのがオススメだ。その理由について詳しくチェックしていこう。
SPUを適用するための材料として使える
楽天にはサービスを利用すればするほど多くのポイントを貰える「SPU」というプログラムがある。2022年5月時点で楽天モバイルもこのプログラムの対象になっており、契約しているだけで特典を受けられる。
特典の内容は「楽天市場での買物金額に対して付与されるポイントが+1倍」になるというもの。特典を受けるために楽天モバイルの利用料金が発生している必要はない。
そのため、「楽天市場を利用するならとりあえず楽天モバイルを契約する」のがオススメ。使わなくてもポイントアップ特典を受けられるので契約しない理由はないゾ。
SPUはどんどん改悪されているものの、使わないよりお得なことには変わりない。
メイン回線に障害が発生したときに活用できる
普段は使用しなくても、メイン回線に障害が発生したときの予備として利用できるのも大きなメリット。
キャリア側の障害など、突然利用できなくなるトラブルは発生するものと意識しておこう。そのようなときに予備回線があると通信手段を確保できるので、バックアップとして優秀。
「普段はSPU用に寝かせておき、緊急事態が発生したときに通信手段として活用する」という運用方法も検討してみよう。
なんだかんだで楽天モバイルは契約して損がないキャリアなので、この機会に契約するのがオススメ。公式キャンペーンを行っていることも多いので、ぜひ以下からチェックしてみよう。
0円運用時は強制解約に注意しよう
0円運用を検討しているユーザーが最も注意すべきなのは「強制解約リスク」だ。楽天モバイル/povo 2.0は以下の条件を満たすと強制解約になるリスクがあるとしている。
- 楽天モバイル: 楽天モバイルのサービスを180日間全く利用しなかった場合
- povo 2.0: 180日以上トッピングを利用しない場合
楽天モバイルは「全く利用しなかった場合」なので、0円運用でも通信が発生していれば問題ない。一方のpovo 2.0はなんらかのトッピング購入もしくは660円以上の有料通話(SMS送信料含む)が必要だ。
povoにはある程度のランニングコストがかかると覚えておこう。まあ、一般的な運用ではずっと0円の範囲に収まることは考えにくい。
しかし、SPU目的で楽天モバイルを契約する場合や、どちらかを緊急時用として寝かせておく場合は該当しやすいので要注意。
いずれのキャリアでも強制解約前にはメールで連絡が来るため、登録するメールアドレスは普段使うものにしておこうネ。
利用頻度が少ないなら基本0円運用も現実的
楽天モバイルとpovo 2.0は基本0円で運用できる魅力的なキャリアだ。以下の条件を満たしていれば実際に0円運用できる可能性が高いため、ぜひ検討してみてほしい。
- 在宅勤務メインもしくは自宅・職場の両方にWi-Fi環境が整備されているユーザー
- 外出時にあまりスマホを利用しない(動画視聴など)
ほかにも楽天モバイルやpovo 2.0はバックアップ用回線としても有用。楽天モバイルは契約しているだけでもメリットを享受できるので、ぜひチェックしてみよう。