楽天モバイル完全有料化

【楽天モバイル有料化】メイン回線はどうする?今後のスマホ回線の運用を考える

これまで、データ通信量が1GB/月までなら0円で使えた楽天モバイルであるが、7月から「Rakuten UN-LIMIT VII」として有料化することが発表された。営利企業である以上当然の決断といえるだろう。

そこで、この記事ではユーザー視点で楽天モバイルがどう変わるのか、継続するか悩んだらどう判断するといいのかを解説する。

楽天モバイルの契約を継続するかどうかで迷っている人や、お得に使うにはどうすればいいのか知りたい人は必見だ。

7月から楽天モバイルの1GB未満が有料化

紙幣

最初に、7月以降の料金プランについて簡単に見ていこう。6月までのプランと比較しながらチェックするので一通り確認しておいてほしい。

Rakuten UN-LIMIT VIIとRakuten UN-LIMIT VIの比較

月間データ通信量Rakuten UN-LIMIT VIIRakuten UN-LIMIT VI
0 GB ~ 1 GB1,078円/月0円/月
1 GB ~ 3 GB 1,078円/月1,078円/月
3 GB ~ 20 GB2,178円/月2,178円/月
20 GB ~3,278円/月3,278円/月

上記のとおり、Rakuten UN-LIMIT VIIになって変更されるのは月間データ通信量が0 GB ~ 1GBまでのレンジだ。0円運用が不可能で、最低でも1,078円/月の料金が発生する。

Rakuten UN-LIMIT VIIは3GBまで1,078円/月で使用できるため、povo 2.0やLINEMOに近い価格帯といえるだろう。

オプションサービスの比較

Rakuten UN-LIMIT VIIになって内容が変わるオプションサービスが存在する。具体的なサービスは以下の通り。

  • 国内通話かけ放題
  • 楽天モバイル公式メールサービス

それぞれのオプションサービスについて、以下で詳しく解説する。ここに記載していないオプションサービスについてはRakuten UN-LIMIT VIと同様なので、楽天モバイル公式サイトで確認しておこう。

国内通話かけ放題

国内通話かけ放題サービスの提供内容は以下のとおり。月額料金は変わらないものの、無料で通話できる時間が長くなっているのが特徴といえる。

  • 月額料金は1,100円
  • 1回15分以内の国内通話にかかる通話料が無料
  • 国内SMSの送信料も無料
  • 他社接続サービス(0180・0570等)や3桁特番にかかる通話料は有料

Rakuten UN-LIMIT VIでは無料通話のルールが1回10分以内となっていたが、Rakuten UN-LIMIT VIIでは1回15分以内となっている。

15分になれば、長電話しない限り時間をオーバーして通話料が発生することを防げそうだ。電話を使う人にはうれしい変更だと感じるかもしれない。

しかし、楽天モバイルを契約していると、Rakuten Linkを使うことで通話やSMSを無料で利用できる。これが大きなアドバンテージとなっているので、大きなメリットにはならなそうだ。

0180や0570番号が有料なのもRakuten Link利用時と一緒なので、「国内通話かけ放題サービスを契約する意味はあるのだろうか?」という疑問点は健在。

楽天メール

楽天メールとは、楽天モバイルが提供するキャリアメールサービスだ。「rakumail.jp」というドメインのメールを無料で使えるようになるが、何か意味はあるのだろうか?

Gmailをはじめとした使いやすいメールサービスが多数存在するため、あえて楽天メールを使用するメリットは感じられない。

「とりあえず提供してみましたよ!」というだけの匂いがプンプンするサービス。これを必要とするユーザーはほとんどいないのではないだろうか?

有料化以外に変化したポイントは?

楽天モバイルアプリのトップページ

楽天モバイルは、契約しているとさまざまな特典が付与されるのも大きなメリットのひとつ。楽天経済圏を活用している人なら、ポイントアップ狙いにとりあえず契約したという人も多いのではないだろうか?

ここからは、月額料金0円での利用ができなくなったこと以外の変化点を紹介する。

サブ回線として使用しているなら、「最低1,078円/月を支払ってでも契約し続けたほうがお得なの?」と考えているかもしれない。契約特典にもいくつか変更が加えられるので、ここでチェックしておこう。

SPU(スーパーポイントアッププログラム)の仕組みが変更

ポイント付与条件Rakuten UN-LIMIT VII契約時Rakuten UN-LIMIT VI契約時
楽天市場での買い物(通常)1倍1倍
楽天モバイル利用ポイント+1倍+2倍
楽天カード利用ポイント+2倍+2倍
ダイヤモンド会員追加特典なし+1倍
合計4倍6倍

Rakuten UN-LIMIT VIIを契約しているともらえるポイントが通常時の6倍になり、これまでの4倍と比べると増加する。

場合によってはこれで月額料金の増加分を吸収できる可能性もあるが、「毎月エントリーが必要」というトラップが仕掛けられている点に注意しよう。なお、どの程度買い物すれば月額料金の増加分を吸収できるのかについては後述する。

通信品質・データ容量などは変更なし

通信の根幹ともいえる通信品質や利用できるデータ容量、つながりやすさなどは一切変更されない。

20 GB以上の大容量データ通信を使用できることや、屋内では全然つながらないこともこれまで通り。もちろん、5Gのエリアがやたらと狭いのも変化がないゾ☆

総合的に考えると、最低利用料金が1,078円/月になったことと一部のオプションサービスが強化されたこと、SPUの仕組みが変更されたこと以外に大きな変化はないといえる。

楽天モバイルを継続するかどうか迷っているならどう判断すればいい?

悩んでいる人

これまでに紹介したことを総合的に考えると、楽天モバイルを継続するかどうかで迷っているなら以下のように判断するのがおすすめだ。

  • メイン回線として使っているならそのまま継続
  • サブ回線でもSPUで料金分を吸収できそうならそのまま継続
  • ほとんど使用しておらずSPUでも吸収できないなら乗り換えも要検討

それぞれ、なぜそのように判断するといいのかを解説する。どうしようか悩んでいるなら、ぜひ参考にしてみてほしい。

メイン回線およびサブ回線でも月間1GB以上使うならそのまま継続

メイン回線として使用しているなら、そのまま継続するのがオススメ。これにはほとんど異議がないと思う。

楽天モバイルをメイン回線として使用している人なら、月間データ通信量が1 GBで収まることはほとんどないためだ。動画視聴・SNSの利用・ブラウジングなどで外出時に多少スマホを使うだけで1 GBはすぐにオーバーする。そのためメイン回線利用で常時0円運用できている人は意外と少ないのではないだろうか?

そもそも0円運用していないのであれば、今回の料金プラン変更は一切デメリットがない。むしろSPUの条件が変更されたことや国内通話かけ放題サービスが強化されたことによる恩恵のほうが大きい

もちろん、サブ回線として使っていても毎月1 GB以上使っているユーザーも同様だ。

サブ回線でもSPUで料金分を吸収できそうならそのまま継続

サブ回線で0円運用しているなら、SPUで料金分を吸収できそうか考えてみるのがオススメ。SPUによって楽天市場での利用分に付与されるポイントは以下のとおりになる。

  • シルバー・ゴールド・プラチナ会員: 通常利用時の5倍
  • ダイヤモンド会員: 通常利用時の6倍

これまでは通常利用時の4倍だったため、ダイヤモンド会員なら付与されるポイントが2%増え、それ以外なら1%増える。この増加分で1,078円分のポイントをゲットするために必要な利用金額は以下の通り。

  • シルバー・ゴールド・プラチナ会員: 118,580円
  • ダイヤモンド会員: 59,290円

楽天のポイント付与対象が税込価格から税抜価格に変更されたことで、基本レートが110円につき1ポイントになった。そのため、全額を吸収するには上記の利用金額が必要だ。

ダイヤモンド会員で、日用品や食品を楽天市場で購入する機会が多いなら月額料金分を吸収できる可能性がある。その場合はSPU目当てで契約を維持するのもオススメなので、この機会に楽天市場の利用状況を見直してみよう。

なお、不適期で開催されるキャンペーンなどにより、上記の金額以下でも十分に月額料金分を吸収できることもある。

ほとんど使用しておらずSPUでも吸収できないなら乗り換えも要検討

楽天モバイルをサブ回線として契約しており、ほとんど利用しておらず、なおかつSPUでも月額料金を吸収できないなら乗り換えも検討してみよう。

これに該当する人は障害発生時のバックアップなど、イレギュラー事態が発生したときを想定しているユーザーが多いと思う。

そのような用途なら、基本0円で提供し続けているpovo 2.0に乗り換えるのがオススメ。povo 2.0ならまだ基本0円で運用できるため、バックアップ回線に向いている。ただし、強制解約には注意しようネ☆

今後の運用はどうする?

povo 2.0アプリのトップページ

Rakuten UN-LIMIT VIIへ移行することを受け、どのように判断したのかを解説する。自分の利用状況を振り返った結果、以下のように判断した。

  • 楽天モバイルはこのまま継続
  • povo 2.0もサブ回線として継続
  • IoT用にロケットモバイルを追加

結論からいうと、これまでの運用と基本的には何も変わらない。唯一違うのは、ロケットモバイルを1回線追加したことくらいだ。

楽天モバイルはこのまま継続

楽天モバイルはメイン回線として使っている。月間データ通信量は1 GB未満に収まることもあるが、収まらないこともある。したがって、このまま継続することとした。

普段使用するエリアは、大規模な建造物の屋内を除いて楽天モバイルの圏外になることがなく、利用する上で大きな不満がない

通信が遅くなったり途切れたりすることもなく、料金面でも大きなデメリットがないのでこのまま継続するのがいいと判断。

povo 2.0もサブ回線として継続

以下の記事でも触れたとおり povo 2.0 も契約しているが、こちらもそのまま継続することにした。継続する理由は以下のとおり。

  • 1回線目: 楽天モバイルに障害が発生したときや屋内で利用するときの回線として使用するため
  • 2回線目: iPad Air 5(Cellularモデル)の通信回線として使用するため

上記の用途では、いずれも必要なときにその都度データトッピングを購入するpovo 2.0 の仕組みが便利だ。現状、これ以上に便利なサービスがないので解約する理由もない。そのため、2回線ともこのまま契約し続けることにした。

IoT用にロケットモバイルを追加

自宅ポストの開閉をスマホに通知してくれるためのシステムを構築した。具体的な仕組みについては別の記事で紹介するが、これを実現するためには通信回線が必要になる。

こちらは高速データ通信を必要としていないため、低速でランニングコストが安価なサービスがいい。そのため、ロケットモバイル(docomo回線利用プラン)を契約することにした。

ロケットモバイルには「神プラン」という低速専用プランがあり、328円/月で最大速度200 kbpsの通信を無制限で利用できる。IoT用にはピッタリなので、今回はこれを契約。

ロケットモバイルではdocomo・au・Softbankの3キャリアの回線を取り扱っているが、docomoを選んだ理由は以下の通りだ。

  • 神プランの料金が最も安価(auと同額、Softbankは438円/月と高い)
  • au回線はpovo 2.0があるため、docomo回線にしておきたかった

低速とはいえ、通信が詰まることはないので問題なく使えている。IoT用途ならこれで何の問題もない。

もし乗り換えるならどこを選ぶ?

スマホとSIM

もし、「メイン回線を楽天モバイルから乗り換えることになった場合はどこを選ぶだろうか?」という視点でも考えてみた。

結論としては「ahamo」が最有力候補になったので、その理由を紹介する。なお、サブでpovo 2.0を使っている都合上、メインをここに移すことは考えていない。

乗り換え先の最有力候補はahamo

乗り換え先として真っ先に思いつくのがdocomoのオンライン専用ブランド「ahamo」だが、利便性も高いのでここに乗り換える可能性が高い。ahamoの特徴は以下の通りだ。

  • 2,970円/月で20GBまでのデータ通信を利用できる
  • 国内通話5分無料が標準付帯している
  • 海外ローミングも20GBまで無料
  • docomoのネットワークで信頼性が高い

安価に20GBまでのデータ通信が利用でき、5分かけ放題も標準付帯なのでコストパフォーマンスがいい。楽天モバイルから乗り換えるなら95%の確率でahamoを選ぶと思う。

次点でLINEMO

次点で検討するのがLINEMOだ。LINEMOはSoftbankのオンライン専用ブランドで、3GBプラン(ミニプラン)と20GBプラン(スマホプラン)の2種類があるのが特徴。

20GBのスマホプランはahamoとほぼ同様であることを考えると、あえてLINEMOを選ぶ理由は何もない。2,728円/月と200円ほどahamoより安いが、通信品質と5分かけ放題があることを考えるとahamo一択。

したがって、乗り換え先候補になるのはミニプランだ。しかし、ミニプランは3GBという絶妙なデータ通信量になっているため、月によってはオーバーするリスクがある。

スマホの利用状況が変化すればLINEMOが候補になるかもしれないが、その確率は5%以下といえるだろう。というか、ここを選ぶくらいならMVNOを選んだほうがいいと思う。

有料化後も楽天モバイルはメイン回線

楽天モバイルのロゴ

楽天モバイルの無料がなくなることにより色々考えてみたが、総合的に考えると「メイン回線として継続するのがいい」と判断した。

確かに0円で収まる月もあったものの、オーバーする月も多かったので有料化による影響はほとんどない。そのため、今後も以下のように運用すると思う。

  • メイン回線としてRakuten UN-LIMIT VII
  • サブ回線としてpovo 2.0を2回線(バックアップ用とiPad Air 5用)
  • IoT(ポスト開閉センサー)用としてロケットモバイル(docomo回線)

今回紹介したのはあくまでも個人の判断ではあるが、楽天モバイルをこのまま継続するか悩んでいる人や、新規契約を検討している人はぜひ参考にしてほしい。

屋内に弱いという欠点もあるものの、安価でそれなりに使えるサービスということを考えれば楽天モバイルも悪くはない選択肢だ。

都市部で利用するのがメインの人や、そもそも複数回線を使い分けている人、Rakuten Linkを利用して長時間無料通話を利用したい人は検討してみてはいかがだろうか?

なお、この記事で紹介した情報はあくまでも執筆時点で公開されている情報に基づいている。随時加筆修正を行うが、最終判断するときは以下から公式サイトの情報を忘れずにチェックすることをオススメする。