いちいち家の鍵を開け締めするのが面倒だと思う人に最適なのがスマートロック。今までSESAME 4というスマートロックを使っていた。
しかし、後継のSESAME 5シリーズが2023年4月に発表されたため、上位グレードのSESAME 5 Proに乗り換えた。2023年5月に届いてすぐに使用開始し、10月時点で5ヶ月ほど使用したことになる。
そこで、この記事ではSESAME 5 Proと同時に使用しているSESAME タッチ、オープンセンサーをまとめてレビューする。これからSESAMEシリーズを使ってスマートロックを導入したいと考えているなら、ぜひ参考にしてみてほしい。
SESAME 5シリーズのスマートロックは2種類!
CANDY HOUSEがリリースしたスマートロックのうち、SESAME 4までは基本的に1世代1デバイスだった。しかし、SESAME 5シリーズは以下の2種類が販売されている。
- SESAME 5(通常モデル)
- SESAME 5 Pro(上位モデル)
ここでは、それぞれどのように異なるのかを簡単に紹介する。違いを正しく理解した上で、納得できるほうを購入するのがオススメだゾ☆
通常モデルのSESAME 5(セサミ5)
SESAME 4の後継としてリリースされたのが、SESAME 5だ。デザインもほぼSESAME 4と同等であるものの、やや薄くなっているのが特徴。
そのため、装着できるサムターンの種類が増えている。SESAME 4が使えなくてもSESAME 5を装着できるケースもあり得るため、一度チェックしてもいいと思う。
また、SESAME 4より反応速度が早くなっているのも魅力。反応速度が遅いとストレスになるので、これはうれしいポイントだ。
上位モデルのSESAME 5 Pro(セサミ5 Pro)
同時に発売された上位モデルがSESAME 5 Pro。
SESAME 5より幅が狭く、より幅広いサムターンに装着できるのが魅力だ。具体的なサイズを紹介すると以下の通り。
デバイス | SESAME 5 | SESAME 5 Pro |
---|---|---|
高さ | 92.7mm | 105.9mm |
幅 | 57.0mm | 45.0mm |
厚さ(サムターンを除く) | 41.7mm | 46.5mm |
質量 | 140g | 186g |
幅は狭いが、高さと厚さはProのほうが大きい。ただし、公式はSESAME 5を装着できるならSESAME 5 Proも装着できるとしている。
そのため、そこまで心配する必要はないだろう。書いていることが事実なら。とりあえず、自宅のサムターンには問題なく装着できている。
ほかにも、Proは耐久性が上がっていて静かなのも魅力。ここに魅力を感じるならProを選ぼう。価格もそこまで高く無いしネ☆
SESAME 5 Proと関連デバイスを取り付けたときの様子
ここからは、自宅の玄関ドアにSESAME 5 Proと関連デバイスを装着したときの様子を紹介する。実際に使用しているデバイスは以下の通り。
- SESAME 5 Pro本体
- オープンセンサー
- SESAMEタッチ
実際に装着したときの様子を見たい人は、ぜひ参考してみてほしい。ボロ屋だけどちゃんと装着できた。
SESAME 5 Pro本体
サムターン部分にSESAME 5 Proを装着すると上記のようになる。これまでSESAME 4を使っていたけど、問題なく交換できた。
高さや厚さの違いも全く影響なかった。なお、鍵の種類はボロ屋あるあるのMIWA 75PMだ。ただしサムターンは楕円形ではなく一般的なタイプのもの。
このタイプのサムターンにはそのまま装着できる。
装着する前には両面テープを貼るところをきちんとアルコール等で拭くことが大切。そうしないと途中で落ちるかもしれない。というか落ちた。SESAME 4時代だけど。
オープンセンサー
SESAME 5シリーズと同時に発表されたデバイスのひとつが、オープンセンサーだ。これはドアの開閉を検知するセンサーで、ドアが閉じたらすぐにロックできるのが魅力。
これまで、SESAMEのオートロックは時間依存で、ロックを解除して一定時間が経過したら自動でロックする仕組みだった。これでは閉まってほしくないときに閉まるなど、融通が効かないのが不便だ。
しかし、SESAME 5 Proに移行すると同時にオープンセンサーを実装したあため、一般的なオートロックと同じ挙動を実現できた。
これは絶対セットで買っておきたい一品だ。誤作動したり作動しなくて開けっ放しになったりしたことは、今のところ1回もない。安いのに性能はいいネ☆
なお、上記のようにセンサー同士の向きを変えても問題なく動作する。枠の関係でフラットにならない場合でも、このように装着すればいいので安心。
SESAMEタッチ
玄関ドアの外側には、SESAMEタッチを忘れずに装着しよう。これを装着すると、以下のことができるようになる。
- NFCを使用した解錠
- 指紋認証による解錠
手持ちのICカードやスマホだけでなく、自分の指も鍵代わりに使えるのはとても便利。両手の指数本とカード数枚、スマホのNFCチップを登録しておくと解錠が楽になるゾ。
なお、上位モデルのSESAMEタッチ Proを購入すると、上記にプラスして暗証番号による解錠も使えるようになる。この機能が必要かどうか考えてから通常版とProのどちらを購入するか判断しよう。
NFCカードは100枚まで、指紋も100個まで登録できる。家族利用だけでなく小規模なオフィスでも利用できるゾ☆連携できるSESAMEは2台までなので、ダブルロックにも対応可能。
【動画あり】解錠・施錠の処理速度
SESAME 5 Proを利用するにあたって、気になることのひとつが処理速度。ここでは、解錠方法ごとの処理速度を紹介する。紹介する解錠方法は以下の3種類だ。
- スマホによる解錠
- 指紋認証による解錠
- NFCカードによる解錠
あわせて施錠時の処理速度も紹介するので、ぜひ参考にしてみてほしい。
スマホによる解錠
スマホで解錠する場合は、SESAMEアプリ上に表示される解錠・施錠ボタンをタップするだけでOK。上記のようにタップするとすぐに反応するので、ストレスを感じることはない。
スマホが本体と直接Bluetooth通信できる範囲にある場合に早く処理できるのはもちろん、範囲外にある場合も宅内のWi-Fiモジュールが本体と常時接続しているため、処理速度に大きな違いはない。
解錠を要求してから接続を確立するタイプだと処理が遅くなるため、これはうれしいポイントだ。
指紋認証による解錠
SESAMEタッチを導入していると、指紋認証でも解錠できる。指紋認証の処理速度は上記の動画で示した通り。
センサー部分をタッチしてから認証が完了するまでに少し待ち時間があり、ほかの解錠方法より少し時間がかかる。
とはいえ、極端に遅いわけではないため許容範囲といえそうだ。スマホのロック解除とは違ってそんな頻繁に使うものではないしネ☆
スマホでこの処理速度だったらストレスになると思う。
NFCカードによる解錠
電子マネーやタッチ決済に対応したクレジットカードなど、NFCチップを搭載しているカードを使用して解錠することも可能だ。スマホにNFCチップが搭載されている場合も、同様に使える。
一例として、交通系ICカードを使用して解錠したときの様子が上記の動画。タッチしてすぐ反応するので、処理速度に問題はないといえる。
オートロックによる施錠
センサーを使用したオートロックの施錠速度もチェックしてみようと思う。実際に作動させたときの様子を上記の動画で示した。
ドアが閉まると同時にオートロックが作動するため、問題なく動作しているといえる。5ヶ月以上使っているが、オートロックが作動しなくて開けっ放しになったことは一度もなかった。
また、ドアが閉まる前にオートロックが作動するというトラブルもなかった。セキュリティシステムには信頼性が求められるが、5ヶ月使用時点では十分に信頼できるデバイスといえる。
なお、その後玄関ドアをリフォームしたことでダブルロック環境になった。ダブルロック環境でSESAME 5 Proを使った時の様子は以下の記事にまとめているので、あわせて参考にしてみてほしい。
SESAME 5 Proと関連デバイスの使用感
実際にSESAME 5 Proと関連デバイスを5ヶ月間使ってわかったことを紹介しようと思う。購入しようと思っている人で使用感が気になっているなら、この機会に一通りチェックしておこう。使用感を簡単にまとめると以下の通り。
- 処理速度に文句なし
- 安定性も十分で安心して使える
- 手ぶら解錠が不要になった
- 動作異常発生時のリスクを低減できる
- 指紋認証を利用した施錠は使う機会が少ない
それぞれ詳しくチェックしていくので、ぜひ参考にしてほしい。
処理速度に文句なし
毎日行う解錠・施錠は、時間がかかるとそれだけでストレスになる。しかし、SESAME 5 Pro・SESAMEタッチ・オープンセンサーを使った解錠・施錠速度は早く、ストレスを感じることはない。
指紋認証による解錠・施錠は他の方法より多少時間がかかるが、許容範囲だと感じた。どのような解錠・施錠方法をメインにするとしても、大きなストレスを感じることはないと思う。
安定性も十分で安心して使える
セキュリティシステムに求められる重要な要素のひとつが、安定性だ。きちんと作動しないために鍵が開けっ放しになっていたり、変なところで作動してドアが閉まらなかったりすれば何の意味もなくなってしまう。
5ヶ月使用時点で、上記のような動作トラブルは一度も発生していない。解錠・施錠いずれも非常に安定していて、セキュリティシステムとして求められる信頼性をきちんと備えているといえる。
誤作動を過度に心配する必要はないと思った。故障したら変な動作が起きるかもしれないが、それはどんなスマートロックにも共通するのでSESAME 5シリーズに限らない。
手ぶら解錠が不要になった
SESAME 4を使用していたときは、SESAMEタッチがなかったため手ぶら解錠を使用していた。これは一度自宅から一定距離以上離れ、再び近づいてBluetoothで通信できるエリアに入ったときに自動で解錠する仕組みだ。
しかし、手ぶら解錠はきちんと動作しないことも多く、非常にストレスが溜まる解錠方法だ。これがSESAME 5 Proになるとスマホやカードのタッチや指紋認証で解錠できるため、手ぶら解錠を使用しなくて済むようになった。
これだけでストレスを大きく軽減できたため、購入してよかったと思う。もう手ぶら解錠の必要性は感じていない。
動作異常発生時のリスクを低減できる
どのようなシステムにも共通するが、動作異常や故障が発生するリスクは常につきまとっている。しかし、SESAME 5 ProとSESAMEタッチを併用することで、そのリスクを軽減できるのは大きなメリット。
スマートロックを導入していないと、シリンダーが壊れるとその時点で解錠できなくなる。しかし、スマートロック化していればスマホ・SESAMEタッチも併用できるので、いずれかが故障したときも別の方法で開けられる。具体的には以下の通り。
- SESAME 5 Pro本体の故障: 物理キーで解錠・施錠する
- SESAMEタッチの故障: スマホアプリもしくは物理キーで解錠・施錠する
- シリンダーの故障: スマホアプリもしくはSESAMEタッチで解錠・施錠する
いずれかのデバイスが壊れたときに、自宅に入れなくなるトラブルを予防できるのは大きなメリットだ。指紋認証を登録しておけば、鍵とスマホの両方を置き忘れたときや締め出されたときも問題なく開けられるので安心。
指紋認証を利用した施錠は使う機会が少ない
実際に使ってみると、指紋認証による解錠・施錠は使う機会が少ないと感じた。テストや気分転換で使ったことはあるが、本当に必要だったのは鍵もスマホも持たずにゴミ捨てに行ったときだけだった。
まあ、締め出し対策にはなるのできちんと登録しておいたほうがいいとは思う。あとは頑丈なキーボックスに鍵を入れ、自分しかわからないところに保管しておくとか。
これはこれでセキュリティリスクが高まるかもしれないが。
SESAME 5の残念なポイント
非常に利便性が高いスマートロックではあるものの、実際に使っていると残念なポイントもいくつか見つかった。ここでは、今後改良してほしいと思う点を3つ紹介する。
- バッテリー残量は電圧ベースのまま
- タッチは盗難リスクがある
- 指紋認証の精度が不十分
購入してから後悔しないためにも、以下のポイントをきちんとチェックしておくのがオススメだ。
バッテリー残量は電圧ベースのまま
SESAME 4のときにも紹介したが、SESAME 5 Proでも電圧を検知することでバッテリー残量を測定している。リチウム電池は残量が大きく低下するまで電圧を維持するという特定があるため、100%表示の状態が長く続く。
99%以下になるとそれ以降は急速に残量が低下するので、油断しているとすぐにバッテリーが切れて動作しなくなるので注意しよう。
もっとほかにわかりやすい残量判別法はないのかな?100%ではなくなったらこまめに残量をチェックするようにしよう。
特にSESAMEタッチを併用しているとスマホアプリを開く機会が大きく減少する。気付かないうちにバッテリーが減っている可能性があるので注意が必要だゾ☆
タッチは盗難リスクがある
SESAMEシリーズのデバイスは、基本的に両面テープで設置位置に固定する。もちろん、屋外に設置するSESAMEタッチも例外ではない。
屋外に両面テープ固定ということは、盗難リスクが高いことを意味する。まあ、タッチだけを盗んでも解錠できないため、泥棒が入るなどのリスクはほぼ無いと思うが。
念のため、もし盗まれたらすぐにアプリから連携を外しておくといい。盗みにくいようにできるだけ強力な両面テープで固定しておこう。
指紋認証の精度が不十分
SESAMEタッチに限った話ではないが、指紋認証の精度がやや低いと思った。スマホと比較しても精度が低い印象なので、指紋認証をメインにしたいならストレスを感じるかもしれない。
同じ指を2回ずつ登録するなどの対策で精度を高められるので、指紋認証を重視するならぜひ試してみてほしい。100個まで登録でき、一般的な使い方であれば2回ずつ登録してもオーバーすることはない。
ただし、オフィスなどで利用する場合は例外。その場合は指紋認証よりNFCカードなどを使用したほうがいいかもしれない。
先代モデルSESAME 4とはどう違う?
今回購入したSESAME 5 Proを利用する前は、先代モデルのSESAME 4を使用していた。実際に乗り換えると、以下のような違いがあると思った。
- 反応速度が目に見えるレベルで早くなった
- 動作音が静かになった
- Wi-Fiの接続エラーが少なくなった
上記のうち、特に重要な改良点は反応速度の向上と接続エラーの減少だ。スマホアプリから解錠する場合を例にすると、解錠ボタンをタップしてから動作するまでの待ち時間が短くなったのは地味なメリット。
さらに、SESAME 4のときは頻発していたWi-Fiの接続エラーもほぼ発生しない。SESAME 4のときは外出中にSESAMEアプリを起動しても接続されておらず、状況が表示されないときがたまにあった。
しかし、SESAME 5 Proにしてからはそのトラブルがなくなったので、安定性が高くなったと思う。まあ、これはSESAME 5 Proのリリースとほぼ同時に行われたSESAME OSのアップデートによるものかもしれないが。
なお、SESAME 4については以下の記事で詳しく紹介している。気になる人はぜひあわせてチェックしてみてほしい。
SESAME 5シリーズの選び方
「これから購入したいけど、通常版とProのどっちがいいの?」と思っている人もいるかもしれない。そこで、ここでは基本的な選び方を紹介したいと思う。
もし、迷っているなら以下の情報を参考にしてどれを購入するか判断するのがオススメ。選び間違えたところで大きく後悔することは少ないと思うが、少しでもいい買い物をしたいと思うなら必見だ。
自宅で使うならSESAME 5がオススメ
SESAME 5を設置するのが自宅玄関の場合、そこまで高い耐久性は求められない。そのため、通常版のSESAME 5を選ぶのがいいと思う。
もちろんSESAME 5 Proを選んでもいいが、価格の差を考えるとSESAME 5でも問題ない。
初めてSESAMEシリーズを利用する場合など、使い勝手がよくわかっていない場合は特に、SESAME 5から試してみてはいかがだろうか?
静粛性や耐久性を重視するならSESAME 5 Proがオススメ
自宅使用であっても、動作音の静かさや高い耐久性を求めるならSESAME 5 Proを選ぶのがオススメだ。
開発・販売元のCANDY HOUSEも、Proは静かで100万回の耐久性があることをアピールしている。
できるだけ故障リスクを削減して長期間使いたいと考えているなら、Proを選んだほうがいいと思う。もちろん、オフィスや商業施設で開閉回数が多いところに使う場合も同様だ。
100万回の耐久性があれば、そのようなところでも安心して使える。たとえば、1日300回開閉する場合でも約9年使えることになる。
SESAMEタッチやオープンセンサーはセット購入がオススメ
本体をWi-Fi経由でネットワークに接続したり、NFCや指紋認証・オートロックを使用したりするには付属品が必要だ。S
ESAME 5シリーズを導入すると結局これらのデバイスを使いたくなるのが普通。そのため、最初から以下のデバイスはセットで購入しておくのがオススメだゾ☆
- SESAMEタッチ
- オープンセンサー
- Wi-Fiモジュール
2023年10月時点では、上記のうちWi-Fiモジュールの入手難易度が高くなっている。しばらく売り切れのままになっているため、CANDY HOUSEには早く生産して販売を再開してもらいたいところだ。
在庫ありになっているなら、迷わず購入するのがオススメ。
スマートロックを導入するならSESAME 5シリーズ!
鍵の開け締めをスムーズにし、利便性を高めるのに有用なアイテムのひとつがスマートロック。世の中にはさまざまなスマートロックがあるが、これから導入するならSESAME 5がオススメだ。
SESAME 5シリーズは致命的な不具合などもなく、付随するアイテムも含めてきちんと動作する。処理速度も早くストレスも少ない。そして安価だ。
初めてスマートロックを導入する人も、購入しやすいSESAME 5シリーズを試してみるのがおすすめだ。一部のアイテム(とくにWi-Fiモジュール)の入手難易度が高いので、その点だけ注意しておこう。