「出かけようと思ったら鍵が行方不明」「カバンの中に財布があるはずだけどどこにあるかわからない」なんて経験をしたことがある人は多いのではないだろうか?
そんなときに役立つのがスマートタグ。AppleのAirTagやnutなど、さまざまなアイテムがあるので使ったことがある人も多いかもしれない。
今回は、数あるスマートタグの中からTileを紹介する。すでにしばらく使っているため、長期使用レビューも兼ねて紹介しようと思う。スマートタグ・落とし物タグを探している人はぜひ参考にしてみてほしい。
スマートタグ「Tile」とは?
「そもそもTileって何?」と思っている人も多いかもしれない、Tileはスマートタグのひとつで、スマホを使用してタグ本体がどこにあるのかを捜索するガジェットだ。仕組みを詳しく紹介すると以下の通り。
- スマホとタグ本体がBluetoothで常時接続している
- スマホから捜索する場合はBluetoothで信号を送って音を鳴らす
- 通信範囲外にタグ本体があるときは最後に通信したエリアをMAP上に表示する
- ほかのTileユーザーが通信範囲に入ったら位置情報を更新する
ざっくり紹介すると、上記の仕組みを活用してタグ本体の位置を特定している。家の中で紛失したときは音を鳴らすことですぐに場所を特定できる。カバンの中で行方不明になったときも同様だ。
また、通信範囲に存在すれば、タグ側のボタンを押すことでスマホの音を鳴らしてどこにあるのか探すことも可能なのでとても便利。
外で落としたときは、最後にBluetooth接続した場所をMAPに表示できるので、どこにあるのかある程度検討をつけられる。あてもなく探すより見つかりやすいといえるのではないだろうか?
使用しているTileは3種類
一般的なスマートタグはキーホルダー型のものが多いが、Tileはラインナップが豊富なのも魅力といえる。実際に使っているのは以下の3種類。
- キーホルダー型の「Tile Mate」
- カード型の「Tile Slim」
- 丸形の「Sticker」
それぞれどのようなデバイスなのか、サイズ感はどの程度なのかを詳しく見ていこう。これからTileを購入しようと考えているなら、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか?
キーホルダー型の「Tile Mate」
これは一般的なスマートタグでよくあるキーホルダー型のもの。キーホルダーとして使う以外にも、紐でなにかに結びつけたりケースに入れたりもできる。
比較的汎用性が高く、さまざまなものに装着できるのが魅力といえる。どれを購入するか迷ったらTile Mateを試してみるのがオススメだ。
上から見ると正方形で、1辺の長さは以下のように37.8mm。
厚さは7.1mmとやや厚いため、財布やパスケースなどに直接入れると膨らむかもしれない。チェーンや紐で外部に装着するのが現実的といえそうだ。
バッテリーの交換はできない仕組みなので、なくなったら大人しく交換しようネ☆
カード型の「Tile Slim」
Tileにはカード型のデバイスがあり、それがこの「Tile Slim」。財布やパスケースの内部に入れたいと考えているなら、Tile Slimがオススメといえるだろう。
サイズ感は、下記の通りクレジットカードやキャッシュカードと同じ。
なので、とりあえず財布やパスケースの空きスロットに入れておきたいと考えている人にはオススメだ。カードホルダーなどにも入れやすいだろう。
ただし、覚えておかなければならないのが、厚さが2.6mmとカードにしては結構厚いということ。
クレジットカードやキャッシュカードは0.7mm程度なので、4倍程度分厚い。そのため、財布やパスケースのスロットの作りによっては入らないかもしれない。とりあえずカードを4枚重ねた状態でスムーズに入るか確認してから購入するのがオススメだゾ☆
丸形の「Sticker」
もう1タイプ使用しているのが、上記のように丸形の「Sticker」だ。これは裏面に両面テープが装着されていて、なにかに貼って使えるのが特徴だ。
直径は以下で示すように26.7mmと小型で、リモコンや小型家電などにも装着しやすいサイズ感。開発元もそのような使い方を想定しているらしい。少なくとも販売ページを見る限りは。
ただし、厚さは以下のように8.2mmと今回紹介しているデバイスの中では最も厚い。何かの中に入れて使おうと思っているなら、厚さが問題にならないかチェックしておくことが必要といえそうだ。
財布のコイン入れなど、厚さがあるものを入れる想定で設計されているところに入れるなら特に問題にはならなそう。
それぞれのTileの使い方
自分の場合、それぞれのTileは以下のように使用している。もちろん使い方はこれだけではないため、目的に応じてアレンジしながら使うといいだろう。
- Tile Mate: キーホルダー・パスケース
- Tile Slim: 財布
- Sticker: 自転車
それぞれどんな感じで使っているのかを紹介する。どのように装着しているのかについてもあわせて見ていくので、ぜひチェックしてみてほしい。
【Tile Mate】キーホルダー・パスケース
オーソドックスなTile Mateは、キーホルダーとパスケースに装着して使っている。上記はキーホルダーに装着したものであるが、邪魔にならず使いやすいと感じている。
カバンの中で鍵が行方不明になって大捜索が始まるのはよくあるシーンで、そのようなときにすぐ音を鳴らしてどこにあるか調べられるのはとても便利。
パスケースにつけるとこんな感じ。このパスケースは普段は持ち歩かず家に保管しているが、どこに置いたか忘れることがよくある。
そんなときはスマホからパスケースにつけたTileを鳴らせばすぐに見つかるので、捜索している時間を減らせる。小物の行方不明はよくあるので、無くしそうなものにはあらかじめTileを装着しておくととても便利。
【Tile Slim】財布
カード型のTile Slimは、財布に装着している。Secridという財布を使用しているが、この財布にはキーホルダーや紐などを装着するところはない。
そのため、カードタイプのTile Slimを中に仕込むのが現実的な選択肢といえる。そのため、普段は内部のカードスロットに収納。
レバーを引くと飛び出すカーロスロットには、分厚いため収納できない。一般的なクレジットカード4枚分の厚さがあることは忘れちゃダメだゾ☆
財布が行方不明になったときは、同様にスマホから音を鳴らせばすぐに見つかる。音量も問題ないため、内部に収納してもきちんと聞こえるのもうれしいポイント。スマートタグによっては音量が小さく、聞こえなくなるものもあるので注意しよう。
なお、Tile Slimを入れているSecridについては以下の記事で詳細にレビューしている。気になる人はあわせてチェックしてみてほしい。
【Sticker】自転車(盗難対策)
最後のStickerは、行方不明時の捜索用ではなく自転車の盗難対策に使用している。自転車フレームのとある場所に収納し、万が一盗難被害に遭ったときは近隣ユーザーの位置情報から現在位置を割り出すシステムを利用する予定。
ただし、本当に効果があるのか、盗難時に見つかるのかは未知数。そもそもどのくらいのユーザーがいるのだろうか?
一応アプリから近隣ユーザーの数は確認できる。チェックすると5,000人程度いると書かれているが、表示エリア内の人口が200,000人程度いることを考えるとユーザー少なく、捜索効果にはあまり期待できないかもしれない。
Tileシリーズの設定方法
次に、Tileの初期設定について解説する。購入したら設定しないと使えないので、すぐに設定しようネ☆ 基本手順は以下の通り。
- Tileのスマホアプリをダウンロードする
- Tileのアカウントを取得&ログインする
- 左上の+マークをタップする
- Tile Devicesをタップする
- Tileデバイス本体のボタンを押す
- 接続が完了したら登録する
以下でそれぞれの手順を詳しく見ていこう。表示されるメッセージを注意深く読めば、途中で迷うことはないと思う。
手順1 Tileのスマホアプリをダウンロードする
まずはGoogle Play / App StoreからTileのアプリをダウンロードしてインストールしよう。これがないとTileは役に立たないゾ☆
まだアプリをダウンロードしていない人は、以下からダウンロードできるので今のうちに準備しよう。
手順2 Tileのアカウントを取得&ログインする
アプリを起動すると上記のような画面が表示されるので、サインインページからアカウントを取得しよう。Tileを使用する際には、アカウントにログインする必要がある。
なお、Facebookのアカウントを取得している人はそのアカウントを利用できるので、新たに取得する必要はない。もちろん、分けたいなら新たに取得しても問題はない。
手順3 左上の+マークをタップする
アカウントの取得&ログインが完了したら、左上の+マークをタップしよう。Tileデバイスの追加はここからできる。
手順4 Tile Devicesをタップする
ボタンが小さくて探しにくいが、新しいTileデバイスを追加するときは上部にあるTile Devicesをタップしよう。
その下にあるLost & Found Labelは2次元コード付きの遺失物ラベルを登録するときに使うもので、今回は関係ない。
手順5 Tileデバイス本体のボタンを押す
次に、スマホに表示された指示にしたがってデバイス本体についているボタンを押そう。ボタンを押すことでBluetoothのペアリングモードになる。
もちろん、スマホ側のBluetoothをONにしておくことを忘れちゃダメだゾ☆
手順6 接続が完了したら登録する
接続が完了するとデバイスリストに載るので、何に装着したかわかるように登録しよう。
鍵や財布など、よく使われるものはプリセットになっているのでそこから選べばOKだ。特殊なものに装着するときはその他を選択できる。
アイテムの写真も登録できるので、多数のアイテムに装着するときは写真を登録しておくと間違えずに済むと思う。
Tileは無料でどこまで使える?
基本的な機能は無料で使えるものの、一部の機能はオプションとして提供されているのでサブスクサービスへの加入が必要だ。
そのように聞くと、「無料でどこまで使えるの?」と思う人も多いかもしれない。実際に使ってみると、無料でも十分使えることがわかったのでここで紹介する。
基本的なスマートタグとしての機能は無料で利用できる
一般的なスマートタグに求められる機能、すなわち音による捜索機能と紛失場所の特定機能は無料で使える。
「カバンの中で行方不明になったときにすぐ探したい」「置き忘れたときにおおよその位置を特定したい」を考えているなら、無料でも十分使えると思う。
有料版で魅力的なのはスマートアラートとロケーション履歴
サブスクサービスに加入する大きな魅力は、スマートアラートとロケーション履歴の2つだと感じた。それぞれ以下の機能を指す。
- スマートアラート: アイテムを置き忘れたときにスマホに通知を送る
- ロケーション履歴: Tileデバイスを検知した場所のログを30日間保持し、確認できる
スマートアラートをONにすると、Tileデバイスを置き忘れた状態で数百m程度離れたときにスマホに通知を送ってくれる。置き忘れに早く気付けるのは大きなメリットといえるだろう。
Bluetoothが切れたらすぐにアラートを発するわけではないため、誤作動の心配が少ないのも魅力。
ロケーション履歴は、置き忘れたときや盗まれたときに本領を発揮する。検出された位置のログを記録してくれるのでどのように移動しているのかを確認でき、捜索しやすくなる。
とはいえ、無料版でも最後に検出された位置を通知してくれるのでそこまで大きな支障はない。
Tileを使用してわかったメリット
本記事執筆時点で、すでにTileを1年位利用している。ということで、長期使用してわかったTileのメリットを紹介していこうと思う。特に大きなメリットと感じているのは以下の3つ。
- 鍵や財布を探す時間を短縮できる
- 置き忘れたときにすぐに気づく&捜索できる
- 接続エラーが少ない
それぞれ詳しく紹介していくので、これから購入しようと考えている人は参考にしてほしい。
鍵や財布を探す時間を短縮できる
何といっても、鍵や財布などの小物を探す時間を短縮できるのは大きなメリットといえる。スマートタグなんだからこの機能が最も重要。
家の中でどこに置いたかわからなくなったり、カバンの奥に忍び込んでいてなかなか見つからなかったりした経験がある人は多いのではないだろうか?
そのようなときにTileがあると、音を鳴らして1発で存在場所を把握できる。いちいち大捜索することはなくなるゾ☆
置き忘れたときにすぐに気づく&捜索できる
Tileを装着したアイテムをどこかに置き忘れた場合、すぐに捜索できるのも大きなメリット。使用中に財布をコンビニのATMに置き忘れたことがあったが、以下の流れですぐに発見できた。
- 置き忘れたことに気づく(10分後くらい)
- スマホを見てコンビニが最終検知地点であることをチェックする
- コンビニに戻る
- コンビニ内でスマホから音を鳴らし、場所を特定する
Tileがあったことで、コンビニに忘れたのか路上に落としたのか、それとも盗まれたのかをすぐに判断できた。置き忘れた場所も近くで音を鳴らせば特定できるので、とても便利だった。
どこかに何かを置き忘れることは誰にでもあるため、Tileはとても役に立つデバイスといえるだろう。迷っているなら使ってみるとイイゾ☆
接続エラーが少ない
以前はnutという別のスマートタグを使っていたが、これはしょっちゅう接続エラーを起こして肝心な時に使えず結局大捜索するということが何度もあった。スマホの横にnutを置いても検出しないこともあり、ベータ版といったレベルだったように感じる。
これでは役に立たないためTileに乗り換えたところ、接続エラーがほぼ起きなくなった。緊急時に使うデバイスが緊急時に作動しないことほど役に立たないことはないため、乗り換えてよかったと思う。
ただし、接続エラーがゼロになるわけではない。どのようなものにもいえるが、エラーやトラブルをなくすことは不可能であることを覚えておこう。
Tileを使用してわかったデメリット
アイテム管理に役立つTileではあるが、いくつかデメリットも存在する。nutをはじめとしたほかのスマートタグと比較したときの主なデメリットは以下の2つだと感じた。
- バッテリーを交換できない
- 全体的なユーザー数が少ない(気がする)
それぞれのデメリットについて詳しく解説する。とはいえ、そこまで致命的なデメリットは少ないので過度に心配する必要はなさそうだ。
バッテリーを交換できない
Tileはいくつかのデバイスをリリースしているが、そのほとんどでバッテリーを交換できない。唯一Tile Proのみがバッテリーを交換できるが、その他は交換できないので注意しよう。
なお、バッテリー寿命は販売元によると、約3年とされている。バッテリーが切れたら買い替えが必要になるが、3年持てば十分といえるかもしれない。バッテリー切れに気付かずいざというときに使えないというトラブルにだけは注意しよう。
全体的なユーザー数が少ない(気がする)
Tileのアプリから周辺のユーザー数を調べられるのだが、人口200,000以上のエリアでユーザー数が2,000人~3,000人程度のことがあった。これは、人口普及率が1%程度であることを意味する。
万が一アイテムを紛失したり盗難の被害に遭ったりしたときは他のユーザーが検出した位置情報に基づいて追跡するという使用上、普及率が少ないのは大きなデメリットになり得る。
ただし、1%ということは100人通りかかればそのうちの1人はTileユーザーである可能性が高いことを意味する。市街地では数千人~数万人が行き来していることを考えると、これでも十分なのかもしれない。
今のところ紛失・盗難で追跡機能を使ったことはないため、なんともいえない部分。
結局Tileはオススメ?
さて、結局のところTileはオススメなのだろうか?結論から見ると、以下の条件を満たす人にオススメといえる。
- キーホルダー型やカード型などの多種多様なデバイスをそろえていることに魅力を感じる
- Androidユーザーである
ユーザー数のことを考えると、おそらくAppleが販売しているAirTagのほうが多いのではないかと思われる。ただし、AirTagを使用するにはiPhoneが必要だ。
その点を総合的に考えると、Androidユーザーでスマートタグを探している人にオススメといえるだろう。エラーだらけのnutを購入するよりはTileのほうがいいと思うゾ☆
Tileを導入して小物探しにかかる時間を節約しよう!
日常生活において、鍵や財布といった小物を自宅で紛失したり外で落としたりすることは避けられない。場合によっては盗まれることもあるだろう。
紛失や盗難はあり得るものと考えて最初から対策しておくのがオススメだ。そこで役に立つのがスマートタグのTile。今回紹介したように、Tileを購入すると以下のようなことができるようになる。
音を鳴らしてどこにあるか特定する
置き忘れたときに検知された位置をスマホに表示する
盗まれたときに近くを通りがかったユーザーのスマホを介しておおよその位置を特定する
似たようなAndroidスマートタグにはnutがあるが、そっちはエラーが多すぎて使い物にならなかった。そのため、これから購入するならTileをオススメするゾ☆
ただし、iPhoneでのみ利用するならAirTagのほうがいいかもしれないので要チェックだ。
なお、Tileは以下のようにセットになったものも販売されている。お得に購入できるので複数必要な場合はぜひチェックしてみよう!