【集合ポストOK】ポストへの投函をスマホに通知!開閉センサー活用術

「毎日自宅のポストに郵便物が入っていないか確認するのが面倒だ」と感じている人は多いかもしれない。

毎日ほぼ同じ時刻に配達される郵便物ならまだしも、いつ配達されるかわからないAmazonやネコポスなどを受け取る機会が多いならなおさらだ。

そこで、この度は自宅に「ポスト投函をスマホに通知するシステム」を構築してみた。今回はマンションの集合ポストでも使える方法なので、マンションに住んでいる人もぜひ参考にしてみてほしい。

そこまでコストをかけずに構築できるシステムなのでオススメだゾ☆

ポストの開閉をスマホに通知する仕組みを構築

「ポストへの投函を通知するシステム」といっても、実際にポストに郵便物などのアイテムが入ったことを検知して通知するシステムを構築するのは現実的ではない。

そこで考えたのが、「ポストの投函口が開閉したことを通知するシステム」だ。これなら比較的簡単に構築でき、ほとんどのポストで使用できるのでオススメ。基本的な仕組みは以下のようになっている。

  1. センサーがポストの投函口が開いた・閉まったことを検出する
  2. 投函口の開閉を検出したらスマホにプッシュ通知を送信する

今回は、これを実行できる仕組みを構築したい。さらに、条件として外せないのが「マンションの集合ポストでも利用できること」だ。

実は、戸建ての玄関ポストなど、Bluetoothが直接届くくらい住居に近い位置にあるポストにこのシステムを実装するのは意外と容易だ。しかし、離れた場所にあるポストの開閉通知を送信するとなると一筋縄ではいかない。

今回は集合ポストへの投函を通知するシステムなので、Bluetoothで直接通信できない場所にあるポストの開閉通知システムを構築したい人にオススメだ。

ポスト投函通知システム基本的な設計

今回構築したシステムの具体的なシステムの設計は以下の通り。Amazonで販売されているアイテムだけで構築できるので、同じようなシステムを考えている人はぜひ参考にしてみてほしい。

  • あらかじめポスト内に通信用のスマホを設置しておく(SIM必須)
  • Switchbot開閉センサーでポストの開閉を検知する
  • Switchbot Hub Miniで開閉センサーのデータを送信する
  • スマホをテザリングモードにして、Switchbot Hub Miniと接続する
  • スマホとSwitchbot Hub Miniのはモバイルバッテリーから電力を供給する

具体的に用意しなければならないものや設定方法については、続く部分で詳しく解説する。どのように設置すればいいかイメージしにくい人は、一通りチェックするのがオススメだ。

ポスト投函通知システムを構築するために用意するもの

ポスト開閉通知システムを構築するのに必要なアイテムは以下の通り。

  • Switchbot 開閉センサー
  • Switchbot Hub Mini
  • スマホ(古いものやスペックが低いものでOK)
  • モバイルバッテリー

それぞれのアイテムについて詳しく解説する。マンションの集合ポストにシステムを構築するには、センサー・電源・ネットワークの3つの要件を満たさなければならない。

Switchbot 開閉センサー

Switchbot開閉センサーとは、ドアや窓などの開閉を検知して通知してくれるアイテムだ。今回は、この「開閉を検知する」という仕組みをポスト開閉通知システムに応用している。

時期によって多少の価格差があるが、2,000円~2,500円で販売されているので比較的購入しやすい。

Switchbot Hub Mini

集合ポストの開閉通知を実装するには、開閉センサーだけではなくSwitchbot Hub Miniを設置する必要がある。

直接Bluetoothで通信できる範囲にセンサーがある場合はなくてもシステムを構築できるが、センサーの位置が遠い場合は必須。したがって、集合ポストに設置するなら忘れずに購入しておこう。

Switchbot Hub MiniはAmazonなどで3,000円~4,000円で販売されている。センサーに比べると高いが、利便性を考えると許容範囲といえるだろう。

スマホ(古いものやスペックが低いものでOK)

開閉センサーと手持ちのスマホが直接通信できないため、インターネット経由で通知を送信する必要がある。

したがって、通信用にSIMを挿したスマホが必要だ。もちろん、モバイルWi-Fiルータでも問題ない。

単純にテザリングができればいいので、古いスマホが余っている人はそれを使うのがオススメ。別途購入するのであれば、「バッテリー持ちがいいもの」を最優先に選ぼう。

バッテリー消費が激しいと後述するモバイルバッテリーの交換頻度が高くなり、利便性が半減する。

今回は引き出しの奥の奥の奥のほうで眠っていたGalaxy Note 8(画面破損済み)を引っ張り出してきて使用した。

SIMはpovo 2.0を使用している。理由はもちろん、トッピングを購入しなければ0円で利用できるからだ。今回のようなIoT用途なら、128kbpsの低速通信でもなんの問題もない。

月額料金が高いとコスパに見合わなくなるので、できるだけ安価な低速通信専用プランを利用することをオススメする。povo 2.0以外にもMVNOの低速専用プランも使えそう。

モバイルバッテリー

マンションの集合ポストに電源なんかあるわけないので、なんとかして電源を確保しなければならない。そこで役立つのがモバイルバッテリーだ。

モバイルバッテリーはSwitchbot Hub Miniと通信用スマホに電力を供給するために使用する。特にSwitchbot Hub Miniは電力供給が途切れると動作しなくなるので注意が必要。

モバイルバッテリーを購入するときは「容量が多いもの」を選ぶのがオススメだゾ☆容量が多ければ交換頻度が下がって利便性が大きく上昇する。

こちらも15,000mAh以上の製品がAmazonなので販売されているので、好きなものを購入しよう。

スマホとSwitchbot Hub Mini用を分けて2台使用する方法もある。

デバイス類の消費電力とモバイルバッテリーの容量、ポスト内のスペースを考慮して適切な構成を考えよう。

なお、今使っているモバイルバッテリーは以下の製品だ。

ソフトウェア類の設定方法

まずはソフトウェア類を先に設定しておこう。これは、動作確認も兼ねている。

ポストに設置してからソフトウェア類を設定すると、万が一バグが発生したときに作業が面倒になる。外で長時間作業しなければならない可能性もあるため、最初に動作確認しておくのがオススメだゾ☆

具体的な手順は以下の通り。

  1. Switchbotを設定する
  2. 通信用スマホのテザリングをONにする
  3. Switchbot Hub Miniをスマホでテザリングする

それぞれの手順について詳しくみていこう。

Switchbotを設定する

まずはSwitchbotを設定しよう。ここで設定するのは開閉センサーとSwitchbot Hub Miniの基本的な内容だ。以下の手順で進めるとスムーズだ。

  1. Switchbotのアプリを普段使用するスマホにインストールする
    1. 初めてSwitchbotを利用する場合はアカウントを取得してログインしておこう
  2. Switchbot開閉センサーに乾電池を挿入する
  3. Switchbot Hub Miniの電源を入れておく
  4. Switchbotアプリを起動し、右上の「+」をタップする
  5. 「開閉センサー」をタップする
  6. 本体のボタンをランプが点滅するまで押し続ける
  7. 「次へ」をタップして追加する
  8. デバイス名と設置場所を任意に設定する
  9. 「ハブを選択」のページが開いたら、あらかじめ電源をいれておいたハブを選択する
  10. 使用場所等をディスプレイの表示にしたがって設定する
  11. 設定を最後まで進め、正常に追加された開閉センサーの設定は完了
    1. マグネットと本体を近づけたり離したりし、正常に反応するかチェックする

正常に動作することを確認したら、実際にポストに設置しよう。ポストの投函口にセンサーとマグネットを設置したら、実際にポストを開閉して正常に反応するかチェックする。

アプリ上の表示が開閉状況に応じて正常に切り替わればOKだ。

通信用スマホのテザリングをONにする

次に、通信用スマホのテザリングをONにしよう。これがないとスマホに開閉通知を送れないので必須だ。

スマホのテザリングをONにする方法は使用しているスマホによって異なるので、設定アプリを起動して適切に設定しよう。

テザリングをONにしたら、SSIDとパスワードを覚えておく。これは、後でSwitchbot Hub Miniに設定するために必要になる情報だ。忘れると再度確認しなければならず、手間がかかっちゃうゾ☆

Switchbot Hub Miniをスマホでテザリングする

次に、Switchbot Hub Miniの設定を行おう。これは先程設置した開閉センサーから受信したデータをインターネットに送信するのに使うデバイスで、設定方法は以下の通り。

  1. Switchbotアプリを起動する
  2. 右上の「+」ボタンをタップする
  3. 「Hub Mini」を選択する
  4. Switchbot Hub Mini本体のボタンを長押しする(3秒程度)
  5. アプリのホームに表示されたら追加完了
  6. 追加されたHub Miniをタップする
  7. 右上の設定ボタン(ギアアイコンのボタン)をタップする
  8. 「Wi-Fiの設定」をタップする
  9. 通信用スマホのテザリング設定で確認したSSIDとパスワードを設定する

通信用スマホのテザリングをONにしていれば、Switchbot Hub Miniは開閉センサーから受信したデータをインターネットに送信する。

スマホは送信されたデータをアプリ経由で受信できるため、あとは通知設定を行えばポストの開閉があったときにプッシュ通知が送られてくるはずだ。

通知設定を行う

スマホでプッシュ通知を受けるために必要な設定は以下のとおり。これを忘れるとポストに郵便物が投函されてもスマホにプッシュ通知が投函されなくなっちゃうゾ☆

  1. Switchbotアプリを起動する
  2. 「開閉センサー」をタップする(名称を変更している場合は変更後の名称が記載されているので注意)
  3. 右上の設定ボタン(ギアアイコンのボタン)をタップする
  4. 「通知設定」をタップする
  5. プッシュ通知を許可する
  6. 通知タイミングとして「開けた」「閉めた」「開けっ放し」の3つを設定する

基本的に「開けた」「閉めた」のいずれかと「開けっ放し」の2つがONになっていれば問題なく通知されるが、エラーでどちらかの通知が来ないときがあった。

そのため、通知漏れを防ぐためにも3つの通知を全てONにしておくことをオススメする。

開閉センサー類の設置方法

必要なアイテムを用意したら、実際にセンサー類を設置してみよう。設置手順は以下の通り。

  1. 開閉センサーをポスト投函口に設置する
  2. Switchbot Hub Miniとスマホをポスト内に設置する
  3. Switchbot Hub Miniとスマホをモバイルバッテリーに接続する

それぞれの手順をこれから詳しく解説する。ひとつずつ確実に進め、うまくシステムを構築しよう。

手順1 開閉センサーをポスト投函口に設置する

まずは開閉センサーをポスト投函口に設置しよう。開閉センサーは、センサー側とマグネットで構成されていて、このマグネットが近づいたり離れたりすると開閉として検出する。

したがって、センサー本体とマグネットは検知できる範囲に設置しなければならない。今回は以下の画像のように設置した。

センサー本体を投函口の裏に設置。

検出用のマグネットをポスト下部の扉に設置。もちろんこれはそれぞれ逆につけても問題なく動作する。

設置が完了したら次の手順に進もう。

手順2 Switchbot Hub Miniとスマホをポスト内に設置する

あらかじめ設定を済ませておいたSwitchbot Hub Miniとスマホをポスト内に設置しよう。

今回は画像のように、袋に入れて設置しておいた。ポスト内なので雨水が侵入することはないと思うが、念のため。

デバイス類がポスト内に存在する分空間が狭くなるが、郵便物等の投函に支障はなかった

手順3: Switchbot Hub Miniとスマホをモバイルバッテリーに接続する

最後にSwitchbot Hub Miniとスマホをモバイルバッテリーに接続しよう。1回のバッテリー交換で長期間使うためにも、両方にバッテリーから電力を供給するのがオススメだゾ☆。

今回は上記のように20,000mAhのバッテリー(表記上)から両方のデバイスに供給している。

ここまでの作業が終わったら設置完了。スマホのテザリングがONになっていることは確実に確認しようネ☆

設定が完了したら、実際にポストを開け閉めしてスマホに通知が送信されれば正常に動作している。

これで毎日ポストに郵便物が届いたらスマホに通知してくれる。定期的にポストをチェックしなくて済むのでとても便利☆

ポスト投函通知システムを構築するメリット

実際にこのシステムを構築して運用したところ、以下のメリットを実感した。

  • ポストを毎日定期的に確認する手間が省けた
  • 開けっ放しを通知してくれるので盗難リスクが高いアイテムをすぐに回収できる

郵便物は毎日投函されるものではないため、全くポストの開閉通知が届かない日も存在する。そのようなときはあえてポストを確認する必要がないため、手間を削減できたと感じた。

さらに、ポストが開いて5分間閉まらないと開けっ放しとして通知してくれるように設定している。したがって、投函口から出ていて盗難リスクが高い郵便物やAmazon箱をすぐに回収できるのもメリットだ。

ポスト投函通知システムを構築するデメリット

ポスト投函通知システムはとても便利だが、いくつかデメリットがある。特にデメリットだと感じているのは以下のポイント。

  • 定期的(4~5日に1回)バッテリー交換が必要になる
  • 郵便物(重要な投函物)とチラシ(ゴミ)の区別がつかない

いずれも仕様上しょうがない部分ではあるが、やはりある程度の手間がかかる。とはいえ、荷物が届く日に定期的に1階まで降りてポストを確認する必要がなくなったため。手間よりメリットのほうが大きいと感じている。

モバイルバッテリーは最低2つ用意しておき、片方が切れたら交換して充電するという運用がオススメ。

なお、バッテリーが切れると、アプリ側に以下のような表示が出るようになっている。

この表示が出たらバッテリーを交換すればいいので、バッテリーが切れていて通知が来ないことに気づかず、郵便物が溜まっていたという心配はないゾ☆

Switchbot開閉センサーなら低コストで構築可能!

マンションに住んでいると定期的に集合ポストを確認し、郵便物をチェックするのは面倒なものだ。特に仕事などで自宅から出ない日であれば、わざわざ1階まで降りてポストをチェックしなければならない。

何も入っていないと徒労感だけ残るので、このシステムを構築してとても便利だと思った。バッテリー駆動なので定期的に交換が必要になるものの、4日~5日に1回ならまあ許容範囲だ。

Amazonでよくある「明らかにポストに収まらないものを無理やり突っ込んでほとんど露出している」という糞配送に対応できるのもメリットのひとつかもしれない。

毎日ポストを確認するのが面倒だと感じているなら、ぜひこの方法を試してみてほしい。合計1万円以下で構築できるので費用負担が小さいのもメリットだ。

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