「いつの間にか洗剤がなくなっていた」「キッチンペーパーがまだあると思ったのになかった」
普段の生活で日用品を切らしてしまうのはよくあること。使おうと思ったときになくて慌てて買いに行った経験がある人も多いのではないだろうか?
日用品の在庫を管理して減ってきたらショッピングリストに追加し、買い物に行ったときに忘れずに買ってくる。はっきりいってこの作業はとても面倒だ。
そんなときにおすすめなのが「スマートマットライト(SmartMat Lite)」。スマートマットライトがあればこんな面倒な作業からは開放される。
とてもおすすめのデバイスではあるが、どんな仕組みなのか、何にでも使えるのか、どう設定するのかなど気になるポイントはたくさんあると思う。そこで、今回はスマートマットライトの仕組みと使い方を解説する
家庭用IoT重量計「スマートマットライト」で在庫管理から開放
スマートマットライトを一言で表現すると「IoT重量計」だ。IoT重量計とはもともと企業の倉庫などで使われていたデバイスで、重量を基に在庫数を自動で管理してくれるというスグレモノ。
膨大な種類の製品・パーツを取り扱っていると、手作業でカウントして在庫を記録し、減ってきたら発注・生産するという流れになる。企業の倉庫や工場でいちいち手作業でこんなことはやってられない。
そこで在庫管理を完全自動化するために誕生したのがIoT重量計。これを家庭用として応用したのが「スマートマットライト」ということになる。
できることは同じで重量に基づいて在庫量をチェックし、減ってきたら自動でAmazonに発注してくれる。
正確にいうとAmazonで取り扱っている商品なら全て自動発注できるというわけではないので、その辺は後ほど紹介する。少なくとも、「日用品の在庫管理を自動化するデバイス」と思っておけばいいだろう。
今回使用した製品は以下から購入できるので、興味がある人はチェックしてみよう
スマートマットライトの仕組み
ここからは、スマートマットライトがどんな仕組みで在庫を管理するのかを解説する。はっきりいって、仕組みはとてもシンプルで分かりやすい。
スマートマットライトが在庫量を把握して自動発注するまでの流れは以下の通りになっている。
1. 在庫量100%のときの重量を登録する
スマートマットライトの初期設定を行うときに乗せる商品を登録するが、この作業によって商品重量が同時に登録される。
商品重量=残量100%のときの重量ということになり、管理画面をみると上記のように登録されている。詳しい登録方法については後ほど紹介するので、あわせて参考にしてほしい。
これが間違っていると適切に在庫管理できないので、商品登録の際は間違えないようにしよう。特に類似商品が多い場合は注意が必要だ。
2. 定期的にマットに乗っているアイテムの重量を計測する
スマートマットライトは定期的に重量を測定する。具体的には毎日3:00/9:00/15:00/21:00の4回。これ以外に手動での測定も可能ではあるが、不具合が発生したときでもない限り使う機会がないので、1日4回の自動測定がメインになるだろう。
ここで測定した重量に基づいてアイテムの残量を計算し、どの程度残っているかチェックする。100%時の商品重量が10kgで計測した重量が4kgなら、残量40%といった具合だ。
3. 計測結果が基準値を下回ったらAmazon DRSで自動発注 or 通知
定期的な計量の結果、注文タイミングとして設定した重量を下回ったらAmazon DRSを使用して自動発注する仕組みになっている。Amazon DRSで発注する以外にも、発注タイミングを知らせるアラートを発することも可能。
Amazon DRSに対応していないアイテムやAmazon以外の場所で購入したいと考えているアイテムがあるなら、こちらも活用してみよう。
スマートマットライトの設定方法
それでは、続いてスマートマットライトの設定方法を詳しく見てみよう。ネットワーク機器なので、設定ミスするとちゃんと動作しない。そして設定しようとしたときにエラーが発生することも意外と多い。
何らかのトラブルが発生する確率も高いので、しっかりチェックしながら順番に設定するのがオススメだゾ★
具体的な設定手順は次のとおり。
- 必要なものを用意する
- スマートマットライトを箱から出して電池を入れる
- 使いたい場所に設置してボタンを1回押す
- Webサイト側で初期設定する
- ボタンをライトが点滅するまで長押しする
- スマートマットライトとPC/スマホをWi-Fiで接続する
- Wi-FiのSSIDとパスワードを入力してルータに接続する
- 商品を設定する
- 正常に認識しているか確認する
- アイテムを乗せてボタンを1回押す
- 注文設定を変更する
もっと細かくみてみよう。
手順1: 必要なものを用意する
セットアップにはいくつかのものが必要になるので、あらかじめ準備しよう。必須アイテムは以下のとおり。
- スマートマットライト本体
- 電池またはACアダプタ(別売)
- PCまたはスマホ(Wi-Fi接続できるもの)
- ルータ
- 固定回線
特別なものは必要ないので、すぐに準備できるハズ。なお、Wi-FiルータのDHCP機能を有効にしていないとうまく接続できない。機能をOFFにしてデバイスごとにローカルIPを手動で割り当てている人は要注意。
手順2: スマートマットライトを箱から出して電池を入れる
まずはスマートマットライトを箱から出し、付属している電池を入れよう。スマートマットライトにはR6(単3)の乾電池が4本必要になる。
入れると上の画像のようになるので、ちゃんと入ったら蓋を閉めよう。なお、今回付属品の電池を入れると全く動作しなかった。
不良品かと焦ったが、付属している電池の1本がテスターを当てると0.00Vと表示される不良品だった。残り3本はしっかり1.5V出ていた。
ということで今回は、Amazon BasicのR6乾電池を4本入れることにして次に進む。
手順3: 使いたい場所に設置してボタンを1回押す
乾電池を入れたら初期設定に進むが、初期設定はスマートマットライトを使いたい場所に設置した状態で行わなければならない。
設定自体はどこでもできるが、後で動かすと検知する重量がバグるので注意しよう。今回は上記の画像のようにマットを設置した状態で初期設定した。なお、不具合を防ぐためにも水平な場所に置こう。
マットの再度にボタンが1個あるので、設置した状態で1回軽く押す。そうすると緑ランプが数回点滅した後に点灯し、しばらくすると消える。これでOK。
赤く点灯したら何らかのエラーが発生しているので、もう一度押してみよう。
本体にはWから始まるシリアルIDが記載されている。これは後ほど必要になるため、この時点で紙などに控えておくのがオススメだゾ★
手順4: Webサイト側で初期設定する
続いてWebサイト側でスマートマットライトを登録する。最初に、公式サイトにアクセスしてログインしよう。
今回はスマホでアクセスしているが、Wi-Fiに対応しているならPCでも問題ない。
初めてスマートマットライトを使うときは、下部にある [ 会員登録 ] をタップしてアカウントを作成する。
ログイン or アカウント作成が完了すると上記のようなページが開くので、[ 新規マットのセットアップをはじめる ] をタップする。
続いて [ セットアップを始める ] をタップしよう。
シリアルIDを入力するページが表示されたら、本体に記載されているシリアルIDを間違えないように入力する。
入力すると [ 次へ ] のボタンが反応するようになるので、間違っていないことを確認してから進もう。
手順5: ボタンをライトが点滅するまで長押しする
シリアルIDの入力が完了したら、スマートマットライト本体のボタンを長押ししよう。緑色のランプが点滅するまで押し続け、点滅したら離す。
点滅を確認したら次の手順に進もう。
手順6: スマートマットライトとPC/スマホをWi-Fiで接続する
スマホ or PCをチェックすると、上記のページが表示されているはず。スマートマットライトと直接接続するためのSSIDが記載されているので、数字を控えるなどしてスムーズにアクセスできるようにしよう。
スマホのWi-Fi設定ページを開くと、Webサイトに掲載されていた数字で終わるSSIDが表示されているはず。これをタップして直接接続しよう。
複数台のスマートマットライトを所持している場合、末尾の数字がデバイスによって異なるので間違えないように注意。パスワードは [ smartmat ] で、これはどのスマートマットライトでも共通。
スマートマットライトに接続したら、ブラウザに戻って [次へ] を選択しよう。
手順7: Wi-FiのSSIDとパスワードを入力してルータに接続する
ブラウザに上記のページが表示されたら、普段使用しているWi-FiのSSIDとパスワードを入力する。
スマートマットライトは2.4GHz帯のWi-Fiにしか対応していないため、2.4GHz帯と5GHz帯でSSIDを分けている場合は間違えないように注意しよう。
この設定が完了すると、スマートマットライトがWebサイトに登録される。ブラウザで確認して問題なければ次の手順に進もう。
手順8: 商品を設定する
設定が完了したら、上記のページが表示されるので商品を設定しよう。
[ 商品を登録する ]を選択すると商品設定ページが開くので、次に進もう。このページにはAmazon DRSに対応している商品が掲載されている。
ここからスマートマットに乗せる予定の商品を選択しよう。
今回はフィニッシュの食洗機用洗剤(上記の画像の商品)を選択した。
なお、価格は887円と表示されているが、Amazon DRSで注文すると10%OFFになるので普通に購入するよりお得。
手順9: 正常に認識しているか確認する
登録が完了すると、Webサイトのトップページに上記のように表示される。
スマートマットライトのシリアルIDと登録した商品が正しく表示されていれば、初期設定はこれで完了。
手順10: アイテムを乗せてボタンを1回押す
アイテムを乗せて放置していれば、定刻になると自動で計量が行われて残量がサイトに表示される。
ただし、この数値がバグっていることも多いので一度手動で計測するのがオススメ。計測方法はとても簡単で、アイテムを乗せてボタンを1回軽く押すだけ。
緑ランプが複数回点滅し、点灯したらサイトに反映されたことを意味する。赤色に点灯したらエラーが発生しているので、もう一度ボタンを押してみよう。
手順11: 注文設定を変更する
手動計量 or 自動計量が完了すると、公式サイトに残量が表示される。
計量エラーや設定ミスが発生していると残量表示がおかしくなる。数値がおかしい場合は公式サイトのマニュアルを確認してリセットし、再度計量しよう。
あとは公式サイトの設定ページにアクセスし、注文タイミングを設定すればOKだ。
総量や使用量などを考慮し、適切なタイミングで発注できるようにしよう。今回は、上記のように30%以下になったらAmazon DRSで自動発注する設定にした。
実際に使ってみた感想
スマートマットライト2台を運用し始めてしばらく経ったので、実際に使ってみてどうだったかを紹介する。
購入するかどうか迷っている人はぜひ参考にしてほしい。2台購入して使用しているので、不具合の傾向もある程度見えてきた。
買い忘れがなくなって便利
当然のことだが、在庫量を計測して自動発注してくれるので買い忘れがなくなる。
「なくなりそうだからそろそろ買わないと」 > 「買い物にいったのに買い忘れる」 or 「Amazonを見ている間に忘れる」といった不毛な現象とはこれでおさらばだ。
日常的に使い、なくなると困るけど買いに行くのが面倒なものにスマートマットライトを使うととても便利になると思う。
誤作動には注意が必要
ただしこのスマートマットライト、ときどき誤作動する。実際に使っていて、コーラを乗せているマットが残量50%程度あるのにもかかわらず定期計量で9%と表示され、勝手に発注されるトラブルがあった。
これは一度リセットして再計量すると改善したが、なぜこうなったのかは不明。Amazon DRSによる発注は24時間以内ならキャンセルできるため、誤発注があったときは適切にキャンセルしよう。
また、定期的にチェックして数値がおかしくないか確認することも大切。なお、この計量トラブルは今の所その1回しか起こっていない。
初期設定時の不具合が多い
スマートマットライトは初期設定時の不具合が多い印象だ。リセットするときと手動計量するときにボタンを押すことになるが、初回はどちらも赤ランプになるエラーが発生2台ともした。
まあ、再度ボタンを押せば緑点灯になり、その後は大きなトラブルは発生しなかった。初回のみしっかりランプをチェックすれば問題なさそうだ。
ほかにも、Wi-Fiルータと正常に通信できなかったり計量データがおかしくなったりするトラブルも発生した。主なトラブルは以下のとおり。
- 計量トラブル: 総重量の30%程度しかないアイテムを乗せているのにもかかわらず97%と表示される
- ネットワークトラブル: 初期設定でWi-FiルータのSSIDとパスワードを正しく入力しても接続エラーが発生する
いずれも再計量・再設定で直るため、もしこのトラブルに見舞われた場合は一度試してみてほしい。
バッテリー切れには要注意
スマートマットライトは乾電池4本で動作している。そのため、バッテリー切れには注意しよう。公式サイトから各スマートマットのバッテリー容量をチェックできるため、時々確認したほうがいいかもしれない。
なお、別売りでACアダプタが販売されている。これを接続すればバッテリー切れの心配はなくなるので、チェックするのが面倒だと思うならACアダプタ接続も検討してみよう。
まあ、パントリーや倉庫には電源がないことも多いので電源を確保できる場合に限るが……
どのようなものに使うといい?
最後に、スマートマットライトがどのようなアイテムの在庫管理に向いているのか、逆にどのようなものに向いていないのかをチェックしてみよう。
これから導入しようと考えているなら、一通りチェックしてほしい。
スマートマットライトが向いているもの
- 洗剤
- ゴミ袋
- ドリンク類
- トイレットペーパー
- コピー用紙
基本的に、常温で保存する日用品や食品を管理するのに向いている。頻繁に購入することはないものの、なくなってしまうと困るもの向けといえるだろう。
何に使えるのか考えているなら、「いつの間にかなくなっていて慌てて買いに行った」という経験があるアイテムに使用することをオススメする。
定期購入とは違って「減ったら買う」というシステムなので、季節によって消費量が変動するアイテムにも向いている。
スマートマットライトに向いていないもの
- 冷蔵保存する食品類
- 極端に重いアイテム
米や小麦粉の在庫管理に使いたいと考えている人も多いかもしれないが、基本的に冷蔵庫に入れて保存するアイテムには使用できない。
その理由は、冷蔵庫内にはWi-Fiの電波が届かず通信できないためだ。実際に試してみたが、冷蔵庫内に設置した米びつの下にスマートマットライトを置く使い方では定期計量のデータが送信されず、自動発注も動作しなかった。
冷蔵庫に入れるものには使えないと覚えておくといいだろう。また、スマートマットライトは極端に重いものには使用できない。
A5サイズが5kgまで、A4サイズが30kgまで、A3サイズが100kgまでなので、この重量制限を超えてないか確認してから購入しよう。
その後いくつか買い足し、日用品の管理に幅広く使用している。何に使っているかは以下の記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてほしい。
スマートマットライトは日用品の管理を便利にしてくれるガジェット
今回はスマートマットライト(SmartMat Lite)という買い物自動化ガジェットを紹介したが、控えめにいって日用品の在庫管理から開放されるスグレモノガジェットだった。
スマートマットライト自体は3,000円弱(セールのときは2,000円以下)で販売されているので、導入のハードルが低いのもメリットになる。
ドリンクやトイレットペーパー、洗剤など多種多様な使い方があるので日用品を切らすことが多くて困っている人はぜひ使ってみてはいかがだろうか?